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更新日:2021年12月24日

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 定時制全校集会「学校長のことば」(令和3年12月24日)

  みなさん、今年もあと僅かとなりました。昨年に続き、新型コロナウイルス感染症による色々な制約を受ける中、先生と生徒が協力して勉強に行事に取り組むことができました。ところでみなさんは、日本のプロ野球に興味はありますか?日本のプロ野球は、セントラル・リーグ(セ・リーグ)とパシフィック・リーグ(パ・リーグ)の2つのリーグに分かれており、各リーグに所属する6チームが試合を行い、リーグ優勝、そして日本一を目指します。今年、セ・リーグで優勝したのは東京ヤクルトスワローズ、パ・リーグはオリックス・バファローズでした。ここで驚くのは、両チームとも前年は各リーグの最下位だったこと。両リーグの前年最下位チームがともに優勝するのは史上初のことだそうです。この2チーム、たった1年でなぜ最下位から1位になることができたのでしょうか。みなさんは「ヒト、モノ、カネ」という経済用語を聞いたことがありますか?これは組織運営に必要な3つの要素で、最近ではこれに「情報」を加え、「ヒト、モノ、カネ、情報」で4大経営資源と呼ばれています。組織はこうした要素をうまく切り盛りし、経営戦略の効果を上げて目標を効率よく実現するのです。ではプロ野球の球団の目標は何でしょうか。来シーズン、ある球団の監督になる方が記者会見で「優勝なんか目指しません」と発言しましたが、普通はリーグ優勝、日本一になることが目標となるはずです。では最初に「カネ」から見ていきましょう。12 球団中、選手平均年俸(1年単位で支払われる報酬)が最も高いのはソフトバンク、2位は巨人です。一方、ヤクルトは7位、オリックスは最下位です。どうやら「カネ」が優勝に大きく影響しているわけではないようです。次に「ヒト」です。ヤクルト就任2年目の高津臣吾監督、オリックス就任1年目の中嶋聡監督に共通していたのは、2軍選手も含めて適材適所で選手を起用したこと。特に、中嶋監督は常に選手ファーストで物事を考え、選手にやらせてみて、失敗したら次を考えるという寛大さを持ち合わせていました。さらに両チームで共通していたのは、投打ともにチームのエースが活躍し、また、ベテランと中堅・若手が融合して最大の力を発揮したことです。最後に「モノ」「情報」を見てみましょう。例えば、ヤクルトは最先端映像分析システム、「ホークアイ」を 12 球団で唯一導入しました。グラウンドに8台のカメラを設置し、ピッチャーのボールが離れる瞬間の手首や手のひらの方向、軸の傾きなどを数値化し、フォームを改善したのです。まさに「モノ」によって新たな「情報」が得られた成功例と言えます。なぜ私がみなさんにこのような話をしているかというと、たとえ自分に不利な状況があっても、工夫次第で短時間に逆転が可能なことが世の中にはたくさんあるということを知ってもらいたいのです。お金で解決できること、逆転の糸口となる仲間を得ること、秘密兵器や情報を駆使すること・・・。ぜひ皆さんの目標を戦略的に達成してください。さあ、来年はどんな年になるでしょう。コロナも収束して、この秦野総合高校で過ごす、あるいは3月に学び舎を巣立ったすべての人が、笑顔で楽しく生活できることを願っています。それではみなさん、よいお年をお迎えください。年明け1月 12 日に元気に会いましょう。

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