東工大in柏陽2021
2021年7月1日(木)、オンライン会議システムを利用して学校内3会場と講師を結び、「東工大in柏陽」を開催しました。1・2学年の生徒84名が参加しました。
講演者
- 篠崎和夫(アドミッション部門、名誉教授)
- 丸山厚(生命理工学院、教授)
- 中村恭志(環境・社会理工学院 融合理工学系・准教授)
- 越川直彦(生命理工学院 生命理工学系・教授、柏陽15期生)
講義内容(講師より)
1 東京工業大学の概要と入試対策
東京工業大学の歴史、教育・研究内容、大学生活、入試・卒業後の進路等、並びに高校時代に培って欲しいことなどをお話ししました。
2 学院概要と研究紹介①「水の流れから環境・防災を考える」
「水の流れ」を知ることは、河川や湖沼など水環境の健全な維持や、津波や洪水など水環境でおきる災害や事故への対策の検討に重要となります。講義ではコンピュータ・シミュレーションで「水の流れ」を調べる原理を紹介し、「水の流れ」から環境問題と防災を考えた最近の研究例を紹介しました。
3 学院概要と研究紹介②「肝がん発症を予測可能とするバイオマーカー」
本講演では、大学院時代の研究で発見したがん特異的に発現する細胞外マトリックス分子の基礎・臨床研究から肝がん発症を予測可能とする新たな超早期血清診断法を確立したので紹介しました。
生徒の感想
- 肝がんの検査に活用できる細胞について,今20年かけてきたものが実ると思うと研究者としてはとても感慨深いことなのかなと思った。
- 1つ目の研究の方は、充実したスーパーコンピュータを用いたシミュレーションの実験で身近にある問題を深く考えられるのが面白かった。2つ目の方は少し難しかったけど1つの事柄について長い間色々な変化を加えていくことで結果的に人の命を助けることに繋がるという点が興味深いと思いました。
- 「研究をして何かを発見した喜び、それによって人を救える」という言葉が印象的。自分もその喜びを味わってみたいと思った。
- 東工大では幅広い知識を得ることができることを知りました。タンパク質の一つから肝がんの再発の原因があることを知ることができ、生物の道を歩むのも選択肢の一つだと思いました。
- 大きな研究施設を使っていることや、実際に現地での調査を行っていることを知り、自分の興味のあることにとことん向き合える環境で興味を持ちました。
- 医学の道を志しているので、がんのバイオマーカーの話がとても興味深かった。発見、解明、応用という流れに携わることができるのはすごいと思う。水の流れのシミュレーションは、水槽での実験の映像で、2メートルの津波でも、プールの高さを超えて水飛沫を上げている様子がとても印象に残っていて、恐ろしくも感じました。
- 肝がん発見の研究や水の流れからの研究など、人の命にダイレクトに関わるような深い研究を、柏陽卒業生の先輩がしているということで、研究人生というのがグッと身近に感じた。
- 最後に研究をするうえで大切なこととして教えていただいた「まずはやってみよう」と興味を持つこと、苦手な分野にも目を向けること、色々な人と関わるためのコミュニケーション能力を育むことが今の私に必要だと感じた。
- 忙しくても勉強を諦めない。好奇心を捨てない。
- 勉強をして大学に受かるまででなく、その後の将来についても考えながらこれからの構想を練っていきたいと思いました。
- 色々なことに興味を持ち、文理関係なく色んな分野に触れてみることが必要だと思いました。研究職は特に、高い経験値を持っているほど考えが豊かになると思うので、理系だから国語や地歴は勉強しなくて良いというのではなく、色んな分野に挑戦する積極的な心で経験値を貯めていく大切さを学びました。
- 少しぐらい悩むのも大事だけど、すぐに行動にうつすことができる決断力、勇気、行動力が大切だと感じた。
- 「今の自分にそんなことはできない」と決めつけずに挑戦していくことが自分の可能性を広げていく上で必要だと考えました。