更新日:2022年9月2日
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2020年6月2日(水曜日)
新型コロナウイルス感染症にかかる緊急事態宣言の発令により、延期となっていた第44回入学式が挙行されました。
ここに神奈川県立上鶴間高校第44期生283名の入学を許可します。
さて、本日あらためて、入学式を行うことが出来、ほっとしています。
神奈川県立上鶴間高等学校第44回入学式が新型コロナウイルス感染症にかかる緊急事態宣言の発令により、延期となり、今ここに283名の新入生をお迎えすることができうれしく思います。教職員を代表して新入生の皆さんにお祝いを申し上げます。新入生のみなさん、入学おめでとう。
今日は、皆さんの期待と不安のあわさったお顔を見ることが出来ない、教室での分散による入学式となり非常に残念でなりません。
また、保護者の皆様をお迎えすることが出来ず今日のこの立派に成長したみなさんの晴れ姿をご一緒に見ることが出来ず大変申し訳なく思います。
今日の入学式は、皆さんが義務教育を離れ、自ら学び、自らの成長を願う決意を確認する場で、その時でもあります。そう、勉強は教わるものではなく、学ぶものです。
はじめに、二つのお願いをしたいと思います。
一つは「普通に生活する」を大切にしてほしいと思います。今誰もが普通の生活の大切さを実感していると思います。当たり前を大切に、一日一日を大切に過ごしてほしい。どうか鶴高生として、普通に生活することとは何かを考え、それを当たり前に行えるよう努力して下さい。
二つ目は、常に問いを立ててほしいと思います。問とは疑問を持つと表現しても良いでしょう。問を立てることが出来れば、答えを求めることになります。ただし、その問いと答えは人よってさまざまだと思います。例えば、皆さんは「100万回生きたねこ」という絵本を知っていますか?この絵本で私が感じた問を謎として一つ紹介します。「猫はなぜ100万回も生き返ったのか。そして死んだとき何故1回も泣かなかったのか。」答えは「1回も泣かなかったのは、その一生に泣くほどの思い入れがなかったからでしょう。100万回生き返ったのは、何も考えず、惰性で生き返ったからではないでかと私は考えます。みなさんはどのように考えますか。
上鶴間高校は、神奈川県教育委員会より「ICT利活用授業研究推進校」と「インクルーシブ教育実践推進校」の二つの指定を受けています。さまざまなICT機器を特別なものではなく、チョークと同じ普通の教具として使い、生徒が自ら考え学んでいく「主体的・対話的で深い学び」を推進する学校。そして共生社会の実現をめざし、相互理解深める教育を推進する学校です。
学校教育目標は「共生社会の実現を目指し、Soceity5.0を力強く生き抜くために必要な力、ICTを通した人材の育成」としています。
本校の目指す生徒像は「時代が求める、創造性豊かな、次世代の人材」「自立し、共生社会に貢献できる人材」「国際社会でたくましく生き抜く力のある人材」
そして、イノベーション・チャレンジ・チームワークの3つの言葉をキーワードとして、その力を身につけることを教育活動の柱としています。
【Innovation】新しい仕組み、考え方を提案し、創り出し続ける力のことです。
多くの情報を処理、編集し柔軟な思考で、多くの人が納得する答えを導き出す力のことです。これからの皆さんには、「情報を編集する力」「納得解」を作り出す力が必要となってきます。
ぜひ、柔軟な思考を鍛えて欲しいと思います。
【Challenge】課題解決のために、自ら考え挑戦し続ける力のことです。
皆さんがこれから始める高校生活への挑戦です。高校生として勉強に部活動に学校行事など、いろいろなことにチャレンジすることです。
多くの体験や経験が人を成長させてくれます。
皆さんがこれから、たくましく生きていくために必要な生きた学力を身につけるためのチャレンジであると考えてください。
【Teamwork】他者と力を合わせ、目標を達成する力のことです。
さまざまな物事に対して、あきらめることなく、考え、仲間とともに力を合わせてその問題を解決し、目標を達成して欲しいということです。
考えて行動することは、他を思いやることにもなります。人が人として生きていくためには、温かな人間関係がますます重要です。
今、新しい生活様式が示され「社会的距離」の確保が求められています。相互に感染予防につとめることはとても大切なことです。しかし、ソーシャルディスタンスを保つことで、お互いの気持ちを考えること、思いやる気持ちに距離をおいてはなりません。
思いやることができる人は、他人の痛みもわかります。ともに学ぶ仲間とともに喜び、共に泣き、心の中から話し合える友人は、高校時代の切磋琢磨の中から生まれ、一生にわたって大きな力となることでしょう。
【Innovation】【Challenge】【Teamwork】という3つの言葉とその意味を胸に刻み、これからの高校生活を有意義に送ることを心から期待しています。
私は、これから始まる高校時代は、人生という大木を支える大木の幹を形成する大切な時期だと考えています。将来、社会で活躍し、家族を支える立場になったとき、大木で言うと枝葉をたくさんつけ、きれいな花を咲かせる時に、様々な困難に出会うことがあります。
その時に、自分自身を支えるためには、幹がしっかりとしている必要があります。太くたくましい人生の幹を、ここ上鶴間高校で作ってください。太くたくましい幹を作る上で、常に問いを立ててほしいと思います。また、3つの力を身に付けてください。これから3年間、厳しいことや辛いこともたくさんあるでしょう。時には自分だけでは抱えきれない不安や焦りを覚えることもあるでしょう。
そんな時は「継続は力なり」という言葉を思い出してください。そしてその不断の努力が皆さんのすばらしい人生の幹を形成していくのだと思ってください。ただし、その幹は自分一人では作れません。辛いとき苦しいときにこそ、家族や友達、先生に相談してください。このくらいのこと、などと思わないでください。悩みに大小はありません。
終わりに、新入生の皆さんが、上鶴間高校生として自信と誇りを持ち「今日のこの初心を忘れることなく」一人一人の夢実現に向かって、自らを磨き、鍛え、新しい自分を創造していくことができることを期待しています。