ひとこまコラムリターンズ 第20走者

おすすめ本ありますか?   2020/04/27更新 

『グランメゾン東京〈上〉〈下〉』


『グランメゾン東京〈上〉〈下〉』
黒岩 勉【作】
百瀬 しのぶ【ノベライズ】
KADOKAWA/角川文庫
(2019/11)

 本校では、元気な男子ばかり1500名あまり、毎日をにぎやかに(若干むさくるしく?)過ごしています。そんな中で図書館は本校舎の四階にあり、どちらかといえばひっそりとした雰囲気で静かに読書をする生徒や勉強をする生徒に利用されています。
 昨年秋、普段通り司書二人で相談しながら選書をしていました。
 「今の子ってキムタクどうなのかな?」
 「日曜劇場ですからねえ…池井戸潤はよく貸し出されたけど『集団左遷』はあんまり…キムタク…ドラマは見てるかもしれないけどノベライズまで読むかなあ…」
 うーん、と考え込んでいたその時のことです。
 「先生、これ入れてください」
 常連の生徒が差し出したスマホの画面に表示されていたのはまさに『グランメゾン東京』の文字。
 「あっ」
 「えっ、だめですか?」
 「ううん、今ちょうどその本の話をしてたからびっくりしただけ。大丈夫、入れるよ。ドラマ見てるんだ?」
 「毎週見てます!キムタクがバチクソかっこいいんすよ!」
 握りこぶしをせんばかりに力説した彼は、入荷したノベライズを喜んで借りていってくれました。
 今の男子高校生が見てもキムタクってかっこいいんだねえ……としみじみ話をしたものです。
 後日、ある日曜日。何気なくつけたテレビで始まったのはまさに『グランメゾン東京』の総集編でした。生徒の顔を思い出しながら見ることしばし、ほんとにキムタクかっこいいな……と総集編を最後まで見続け、そのまま夜の最終回をリアルタイムで視聴。三学期になってノベライズの下巻を借りに図書館に現れた彼に「キムタク確かにバチクソかっこよかったわ」と伝えると嬉しそうに「でしょう!」と返事をしてくれました。


<石橋>
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