ひとこまコラムリターンズ 第27走者

私のままで……   2020/11/30更新 

『私は私の』


『私は私のままで生きることにした』
キム スヒョン【著】 吉川 南【訳】
ワニブックス
(2019/02)

 今年3月、文部科学省による新型コロナウイルス感染症対策のための一斉臨時休業の要請で学校は休業した。4月に実施する「新入生図書館オリエンテーション」の準備を始めようと思っていた矢先で、パワーポイント作成用の写真を撮り始めていたところだった。ICT推進校ということもあり、グーグルクラスルーム、オンライン授業、動画の配信等、先生方は勿論、普段安穏としている司書まで、あたふたとICT利活用に巻き込まれた。「オリエンテーション」実施の見込みがたたないので、作成途中だったパワポを使い動画でやってみた。図書館アンケートもグーグルフォームを使って行ったが、集計は簡便なうえ回答も充実して本音が聞けたように思えた。
 アンケートで「中学校で読んだ本で印象に残っている本があれば書名を1冊だけ書いてください」の問いに、読書傾向が多様な中で、3名が挙げていたこの本の題名がとても気になり図書館に新規購入した。学校が再開しコロナ渦の規制の中、図書館に訪れた1年生が時々手に取り読んでいる姿が見受けられた。スクールカウンセラーさんがやって来て「この本、私も買おうかしら?」とつぶやき、また国語の先生が生徒に紹介したいとリピート借りをするなど、じわじわと常時引き合いがある。どこから読んでも「そうだよなあ」「おっしゃるとおり」「もっと早く気が付けばよかった」などと思えて、どんな昔の人生訓よりためになる。みんなに教えてあげたいと思う言葉が詰まっている。
 著者は韓国の人で大人気のイラストレーター兼エッセイスト。韓国でベストセラー、インスタグラムのフォロワー数も多く社会現象とまで言われるほどだという。この本のはじめに、GOALが書いてある。「ごく普通の私が、他人を妬むことなく冷たい視線にたえながら、ありのままの自分として生きていくために」……是非すべての「自分のために自分らしく生きたいと思う人」に読んでほしい一冊だ。



<パドブレ>
バックナンバーに戻る