ひとこまコラムリターンズ 第44走者

あなたはどう?   2022/05/02更新 

『スマホ脳』


『スマホ脳』
アンデシュ・ハンセン【著】
久山葉子【訳】
新潮社
(2020/11)

 昨年の夏、3年生の男子生徒が図書館に来て、「スマホをやめる本は何かありませんか?」と言う相談がありました。どれくらいの時間をやっているのか尋ねると、「朝起きてから寝付くまで時間が許される限りスマホをやっている」と。今回、図書館に来たのは、「母親に『ゲームをしている時のあなた眼つきは怖いものを感じる。まるで別人。』と言われたからです。書店みたいなこの図書館に行けば最新本が揃っていると思い、来てみました。」とのことでした。
 この本は「スマホの危険性」を進化論(人類の進化の歴史)の立場から分かりやすく説明しています。人はなぜ甘いものを食べすぎてしまうのか。人はなぜ他者の目を気にして悩んでしまうのか。人はなぜスマホを手放せないのか。これはあなた個人の問題ではなく人類全体の問題だと著者は主張しています。
 特に有効なのは「スマホの表示をモノクロに」という著者のアドバイスです。色のない画面はドーパミンの放出量が少ないそうです。生徒もスマホをモノクロ表示に変更したところ効果はあり、スマホを手に取る時間は減りはじめたとのことでした。
 あなたの周りにも、スマホをだらだら見て過ごしてしまった……。スマホが近くにないと落ち着かない……。そういう人はいませんか?
 スマホの使い過ぎの悩みだけでなく、さまざまな悩みの解決の糸口になるかもしれません。

<内田 巌仁>
藤沢西高校図書館の様子1
館内1

藤沢西高校図書館の様子2
館内2


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