ひとこまコラムリターンズ 第46走者

Give & Takeは正しいか   2022/07/04更新 

『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』


『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』
アダム グラント【著】、楠木 建【監訳】
三笠書房
(2014/1)

 いつも授業のノートを友達に見せてあげるAさん。いつも授業のノートを見せてくれというBさん。授業のノートを見せてもらったら、お礼に別の教科のノートを見せてあげるCさん。さて、長期的にみると誰が「成功する」でしょう。
 この本はそんな人たちを分析し、タイトルにもある通り「与える人」=Aさんこそが成功するという結論を導き出しています。本の中ではAさんを「ギバー(人に惜しみなく与える人)」、Bさんを「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」、Cさんを「マッチャー(損得のバランスを考える人)」と呼んでいます。注意すべき点は、すべてのAさん(ギバー)が報われるわけではないということです。Aさんが搾取されたままの「ギバー」にならないためにはどうすればよいのか、Bさん(テイカー)に対してどのように接すればよいのか、そして最も割合が多いとされるCさん(マッチャー)がAさんよりも良い結果を残せないのはなぜなのか。そのような疑問に答えてくれる本です。
 普段の生活の中で、人は時にAさんにも、Bさんにも、Cさんにもなります。生徒にとって、学校生活の中で取る行動のヒントとして紹介したいと思い、昨年度導入した電子図書館にこの本を入れました。(しかし、なかなか電子図書館の利用率が上がりません……。)学内きっての「ギバー」集団と思われる図書館に関わる生徒・職員の助け合いの輪が広がるよう、これからも魅力的な図書館の運営に携わっていきたいと思います。

<中村>

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