更新日:2021年3月9日

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けやき第178号

共生社会の実現をめざした「インクルーシブ教育の推進」

4月の着任以来2ヶ月余りが過ぎました。朝ロータリーに出るとけやきの樹の緑が美しく、登校してくる子どもたちと触れ合うことが、何よりの私の元気のもととなっています。そして、この間に「PTA年度はじめ総会」「小中学部の運動会」「学校評議員会議」などが行われ、様々な方とお会いする中で、あらためて子どもたちの成長が、ご家庭や地域の皆様と共にあることを実感いたしました。

さて、私は本校に異動してくる前の5年間、県教育委員会インクルーシブ教育推進課に勤務していました。そこで今回は本校の学校教育目標の中の一つに『インクルーシブ教育の進展を図るとともに、共生社会の基礎となる「共に学び共に育つ」ことが可能な地域づくりを推進する』とあることから、「インクルーシブ教育の推進」について書かせていただきます。

「インクルーシブ教育」と聞くと、障害のある子どもとない子どもが一緒に学ぶことと少し狭く捉えられることがありますが、本来目指しているものは、誰もが地域で生き生きと生活することができる「共生社会」の実現です。この方向性は世界的なものであり、神奈川県でも共生社会の実現に向けて、すべてのこどもができるだけ同じ場で共に学び共に育つインクルーシブ教育を推進しています。

そして、共生社会を創っていくのは、これからの未来を担う子どもたちであり、その子どもたちが育つ生活環境が「多様性」(ダイバーシティ)を尊重できる「インクルーシブな」学校や地域となることが求められています。今までの学校という枠組みにとらわれず、地域の子どもに合わせた学校づくりを行う開発的な取組でもあります。インクルーシブな学校づくりが進むと、日常的に様々な子どもたちが共に学ぶことで、相互に関わり合いながら、集団の中でお互いに理解を深め、社会性や思いやりの心を育んでいくことができます。そのような環境の中で育った子どもたちが、これからの日本の共生社会を創っていってくれることが期待されます。

子どもたちの学び方や速さは様々ですから、共に学び合う中で、すべての子どもが同じように達成できる課題を設定することは困難です。しかし、子どもたちが関わり合いながら自らの経験やこれまで学んだことを用いて主体的に学ぶことができれば、すべての子どもは学習への参加と達成感が得られ自ら深く学ぶことができる質の高い教育となります。これは、本校の教育スローガンである「Fun To Learn」の目指す処と共通しています。また、この取組には多様な学習スタイルに応じた指導方法や支援が必要ですが、本校には日々子どもたちや保護者・地域の方々と共に、積み重ねてきた指導方法や、一人ひとりを大切にした子どもとのかかわり方など貴重な財産があります。それらを地域と共有するだけでなく、「想い」を地域に発信していくことで、「共に学び共に育つ」ことが可能な地域づくりに繋がると考えています。本年度の学校教育目標の達成に向けて、本校の生徒を包み込む全ての方々と共に、取り組んで参りたいと考えていますのでよろしくお願いいたします。

 

(教頭 田中 みか)