更新日:2021年3月9日

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けやき第196号

ある生徒さんのお話

ある生徒さん(Aさん)のお話です。

Aさんは毎朝ひとりで、クラスの健康観察票を職員室の前の廊下を通って保健室に届けています。きっとクラスの係の仕事でしょう。

はじめのころは”自分一人でやる”ということにとても緊張していたのだと思います。どうしたらよいのかわからなかったのかもしれません。担任は離れたところでAさんを見守っていますが健康観察票を両手で抱えて、廊下で何度もじっと立ち止まって、なかなか保健室にたどり着けませんでした。「おはようございます」とあいさつすると、こちらに気づいてはいるのですが、固い表情で床をじぃーっと見ていました。

ところがある日、いつもと同じように何度も立ち止まってしまい歩を進めることができないのですが、健康観察票を両手ではなく片手で持っていました。また別のある日、立ち止まっている時間が短くなっていました。2ヶ月ほど過ぎたころ、廊下を闊歩して止まることなく保健室に一直線。挨拶をすると笑顔で返してくれるようになりました。

そして3学期になりました。もう担任の見守りは必要ありません。ある時は弾むような歩き方で、またある時はちょっと寄り道して廊下の掲示物を見たり、職員室の中を覗いてみたりしながら保健室に行きます。「おはようございます」と言葉をかけると掌を小さくピョッとふって挨拶を返してくれます。最初のころはきっと心臓がドキドキ。今は余裕を持って自分一人でできるようになっていました。

一言でまとめると「自立」「成長」なのですが、きっとAさんの中にたくさんの物語があって今に至ったのだと思います。”自分一人でやる”力は十分持っている。そしてどんなにささやかなことでも”自分一人でやる”というチャンスがあるということはとても大事なことだと思います。どんどん自分でやってみましょう。

(副校長 長谷川 智一)

春は遠くないようです。 敷地内をよく見ると ふきのとう タンポポ。梅の花はもう少し

 

2021ふきのとう2

2021たんぽぽ

2021梅のつぼみ