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土曜講座2012

 平成24年度に開催された土曜講座です

平成24年度 第1回 6月2日

201201講師 安藤壽康氏(51回生)
演題 「遺伝子と才能のはなし-理系と文系の壁を越えた研究-」

 6月2日(土)に第1回土曜講座が実施されました。講師には51回生の安藤壽康氏に来ていただき、「遺伝子と才能のはなし-理系と文系の壁を越えた研究」というテーマでお話しいただきました。安藤氏は慶応義塾大学文学部教授で、遺伝について、特にふたごの類似性から遺伝と環境の影響についての研究で著名な方です。NHKのテレビ番組にも出演なさり、当日はその時のビデオを見ながら、撮影裏話なども披露してくださいました。講演では、多くのふたごの例の実証的研究を紹介され、遺伝は重要な要素であるが、一人ひとりが与えられた環境の中で主体的に生きることが重要であると述べられました。また、生徒へのメッセージとして、学問を追究して行くと、理系と文系の壁など存在しなくなるので、高校時代は受験に必要な科目だけに絞ることなく多くを学んでおくこと等、湘南高校での思い出を織り交ぜて、湘南生に熱く語ってくださいました。51回生の同窓生も大勢、来られ、楽しい雰囲気の中での講演となりました。生徒たちには、専門的で理解が難しい部分があったとは思いますが、有意義な講座受講となったようです。

平成24年度 第2回 7月7日

201202講師 石田かおり氏(58回生)
演題 「『見た目依存時代』を生きる-外見格差についての哲学的化粧論と湘南高校での人間形成-」

 7月7日(土)、七夕の日に第2回土曜講座が行われました。今回の講師は、化粧文化学という新しい学問分野を創られ研究なさっている58回生の石田かおり氏です。駒沢女子大学教授であり、資生堂客員研究員でもある石田氏は、「『見た目依存時代』を生きる-外見格差についての哲学的化粧論と湘南高校での人間形成-」というテーマで、化粧が人類にとって普遍の、長い歴史を持った文化であることから説き起こし、現代の化粧文化の検証、スロービューティのすすめ、さらに、ご専門の化粧文化学、哲学的化粧論について、たくさんの例示やエピソードとともに、わかりやすく話してくださいました。後半では、湘南高校で学んだことというテーマで、ご自身が最初は独特の校風に慣れるのに時間がかかったものの、授業や様々な場面で学んだことが、そのあとの仕事や研究に非常に役に立ったこと、そして、高校生として今、いろいろなことについてしっかりと学習することが大切であることを優しく語ってくださいました。日本舞踊藤間流師範名取、きもの文化検定3級でもある石田氏はこの日も和服姿でのご講演で、一段と優雅な、またアカデミックな土曜講座となりました。なお、石田氏より、ご著書を2冊、(「京の『はんなり』江戸は『粋』」、「『見た目』依存の時代」)図書館に寄贈していただきました。

平成24年度 第3回 10月6日

201203講師 岩波明氏(52回生)
演題 「精神科医とは、どういう仕事か」

 10月6日に52回生の岩波明氏を講師として、第3回土曜講座が開かれました。今回のテーマは「精神科医とは、どういう仕事か」。ご自身が精神科医であり、昭和大学の教授でいらっしゃる岩波先生から、医学部の教授の仕事ぶりやスケジュールの実際、大学病院の様子、また、医学生がどのような経験や苦労を経て、医者になっていくか、さらには、精神科の診療の実際や症状について、具体的に、わかりやすく説明していただきました。質疑応答の時間には、生徒からも様々な質問が出され、講演終了後にも、個別に質問をする生徒がおり、先生は一人ひとりに丁寧に答えていらっしゃいました。なお、先生からは、御著書(『文豪はみんな、うつ』、『生の暴発、死の誘惑』、『狂気の偽装』)を寄贈していただきました。

平成24年度 第4回 11月3日

201204講師 内海恒雄氏(31回生)
演題 「『武家の古都・鎌倉』の世界文化遺産登録」

 11月3日文化の日に31回生の内海恒雄氏を講師として、第4回土曜講座が開かれました。テーマは「『武家の古都・鎌倉』の世界文化遺産登録」。内海先生は湘南高校で教鞭をとっておられ、日本史を教えていらっしゃいました。現在は、鎌倉世界遺産登録推進の部会長でいらっしゃる先生は、湘南高校と湘南生への特別な思いを横糸に、世界に誇れる鎌倉の風土、自然、寺社建築等、文化の魅力を縦糸にしながら、90分、楽しく、興味深いご講義を展開してくださいました。生徒からは鎌倉を外国の方に案内をするとしたら、どこを案内すべきかなどの質問も出て、土曜講座は鎌倉一色の中で終了しました。この日の会場は湘南高校歴史館。その設置にも尽力された先生はとても喜んでおられました。なお、内海先生からは、『鎌倉百景を詩う』、『東光山 英勝寺』の2冊を図書館に寄贈していただきました。

平成24年度 第5回 12月15日

201205講師 鈴木悌介氏(49回生)
演題 「お金のものさし・いのちのものさし」

 12月15日に49回生の鈴木悌介氏を講師として、第5回土曜講座が開かれました。今回のテーマは「お金のものさし・いのちのものさし」でした。鈴木氏は、鈴廣かまぼこ株式会社の代表取締役副社長であり、また、「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」の代表世話役も務めていらっしゃいます。食べることはいのちをいただくことというお話から始まり、いのちのかけがえのなさ、大切さ、さらにはエネルギーの問題。原子力発電のみに頼ることができなくなっている現在、我々はどのように考え、対処して行くべきか、できることは何かなど、一つひとつの話題は重いものでしたが、鈴木氏の屈託のないお話しぶりに終始、なごやかな雰囲気で講座は進行しました。今回も会場は歴史館で行われました。

平成24年度 第6回 2月2日

201206講師 細川周平氏(48回生)
演題 「調べる楽しみ、書く喜び-人文系の研究者への道」

 2月2日に第6回の、今年度最後の土曜講座が開かれました。今回は保護者の方にも参加を呼びかけ、会場は湘南会館(多目的ホール)でした。講師の細川氏は現在、国際文化研究センター教授。東大生物学科卒業、芸大音楽科修了という多才な学歴の持ち主です。著書も多く、読売文学賞を受賞されています。当日は、生徒、保護者、細川氏の同期の方々等、100名ほどの参加がありました。細川氏は、ご自分の精神遍歴、精神史を、様々なエピソードを交えながら、興味深くお話しくださいました。現役生には、好きと思えるものを見つけたら放さない、離れない、そこから多くのものが生まれてくること、さらに、情熱、偶然、集中力の3つを大切にすること、などのメッセージ、アドバイスをいただきました。