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更新日:2025年11月13日

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創立50周年記念式典

記念式典会場写真

 10月30日、鎌倉芸術館に於いて、『金井高等学校創立50周年記念式典』が開催されました。

 当日は在校生に加え、卒業生、来賓の方々にもご参列いただき、盛況のうちに無事終了いたしました。ご出席いただいた皆さま、また温かいご支援をお寄せいただきました皆さまに心より感謝申し上げます。

 

神奈川県立金井高等学校 創立50周年記念式典 校長式辞50周年校長式辞

 本日ここに、神奈川県立金井高等学校の創立50周年記念式典を挙行するにあたり、日頃から本校にご理解とご協力を賜りましたご来賓の皆様、長きにわたり本校を支えてくださった歴代の校長先生をはじめとする教職員の方々、地域の方々、同窓生の皆様、そ して保護者の皆様に、心より厚く御礼申し上げます。この記念すべき日を迎えられましたことに、私自身、感慨ひとしおでございます。

 本校は昭和50 年の開校以来、旧戸塚区、現在の栄区の地において、地域社会とともに歩んでまいりました。この50年間で17,000 名を超える卒業生が、本校での学びと経験を胸に、社会の様々な分野で活躍しています。 この半世紀の確かな歩みは、紛れもなく、卒業生、保護者の皆様、そして何よりもこの地で金井高校を見守り続けてくださった地域の方々の、多大なるご支援と深い愛情によって育まれたものです。皆様の温かいお力添えがあったからこそ、金井高校は今日まで「地域に愛され、必要とされる学校」として発展し続けることができました。 皆様から寄せられた、その計り知れない思いを、私たち教職員一同、そして生徒たちは深く心に刻んでおります。金井高校は、まさに皆様の誇りとともに歩んできた学校です。

 さて、報道にもございましたとおり、本校は令和13年4月に、県立舞岡高校と再編統合し、新しい学校が誕生することとなります。金井高校としての歴史は一つの大きな節目を迎えますが、それは決して「終わり」ではありません。 私たちはこの統合を、歴史の終焉としてではなく、金井高校の次の半世紀を築くための、力強い始まり、未来を創る「覚悟の瞬間」と位置づけています 金井高校が50年かけて燃やし続けてきた「知性」「情熱」「誇り」という名の炎と、舞岡高校の良き伝統という炎が合わさり、より明るく輝く力となって未来を照らしていく、その確信こそが、今を生きる私たちの希望です。 私たちはこの信念のもと、立ち止まることなく、むしろ金井高校の歴史の最後のペー ジを、最も輝かしいものにしたいと強く願っています。

 この思いを象徴する取組として、私たちは荒れてしまっていた中庭を、生徒にとって以前と同じような「憩いの場」として再生させるため、芝生化を決断いたしました。こ の再生を、全校生徒、教職員、そして地域の方々の熱意をもって実現すべく、クラウド ファンディングを通じて、地域・卒業生・保護者の皆様に広くご支援をお願いいたしました。 先日、タウンニュースでもご紹介いただいたこの取組は、皆様が金井高校の未来へ託してくださった、かけがえのないご支援の証です。心より感謝申し上げます。 私たちが心を込めて育てていくこの芝生は、まさに未来へと受け継がれる希望の象徴です。地域の皆様の思いが詰まったこの「希望の芝生」を、金井高校が大切に育て、新しい学校へとつないでまいります。

 在校生の皆さん。皆さんは今、金井高校の誇りを未来へ託すという、特別な使命を背負っています。どうか、卒業までの限られた期間を、学びを止めることなく、学校行事 や部活動、そして日々の生活のすべてにおいて「完全燃焼」してください。金井生としての情熱と良き伝統のすべてを、この大きな炎に注ぎ込むのです。そして、この「希望の芝生」に皆さんの熱い思いを乗せて、確実に新校へと引き継いでいく。 それこそが、創立50 周年を迎えた私たちに課せられた、最も大切な使命です。

 私たちは、皆様の多大なるご支援と愛情によって、ここまで歩んでくることができました。 この記念すべき50 周年を機に、地域、卒業生、保護者をはじめ、これまで金井高校を 愛してくださったすべての皆様の思いをしっかりと背負い、残された時間、学びを止めることなく、「金井高校らしく、情熱をもって」一歩一歩大切に歩んでまいります。 そして、新校の開校までの道のりを、皆様とともに歩み続けられることを心から願い ながら、引き続き温かいご支援を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。

  本日は誠にありがとうございました。

 令和7 年10 月30 日 神奈川県立金井高等学校 校長 笠原 昭彦

 

神奈川県立金井高等学校 創立50周年実行委員会委員長 同窓会会長式辞

50周年実行委員長式辞

只今ご紹介いただきました、神奈川県立金井高等学校創立50周年実行委員会委員長をお任せいただいております、同窓会会長の森でございます。

本日、こうしてこの鎌倉芸術館で、50周年記念式典を挙行できましたことは、無上の喜びであり、これも本日ご臨席のご来賓の皆様をはじめとする関係者の皆様のご支援、ご尽力の賜物であると存じ、生徒、教職員、PTA、そして同窓会を代表して、厚く御礼申し上げます。

 さて、神奈川県立金井高等学校は、1975年、昭和50年4月に、本郷台にあります神奈川県立柏陽高等学校の敷地内に間借りをする形で開校いたしました。これは、当時のほかの新設校と同様、建設用地の取得や校舎建設が遅れたためで、第1期生4クラスでスタートした金井高校もプレハブ校舎での学校生活を余儀なくされました。このころのご苦労は、夏の暑い最中、エアコンもないプレハブの教室内の熱気を少しでも和らげるために、PTAの皆様が協力してプレハブの屋根にホースで水を撒いた、というエピソードにもよく表れていると思います。

そして、現在の南棟・西棟にあたる校舎2棟が完成して、現在の場所に移転したのが2年目にあたる1977年1月、すべての校舎が完成するには、3年目である、その年の10月末まで待たなければならなかったとのことで、先生方、そして3期生までの先輩方のご苦労はいかばかりであったかとお察しいたします。

私、4期生の森にとっては、中学3年生だったその年の9月、初めて開催された「第1回金井祭」テーマ:「はじめのいーっぽ!」を見に行ったのが金井高校との初めての出会いでした。今思えば、その時の先輩方の楽しそうな様子が、私に金井高校受検を決めさせたきっかけのひとつだったように思います。

初代校長の新山泰先生が作詞された校歌の一節に「わが学び舎を築きたて」ともあるように、草創期の金井高校は、先生方も先輩方も「自分たちがこの金井高校を作り上げていくのだ」という気概に満ちていました。それは単に生徒が、真面目に勉学に取り組み、部活動に行事に積極的かつ真剣に取り組むというだけではなく、先生方の、如何に生徒の将来に資する教育ができるか、先輩方の、如何に自分たちが作り上げてきたものを後輩たちに伝えるか、という姿勢に現れていました。本日、その草創期の先生方や先輩方を何方もお招きできたことは、50周年という節目にふさわしく、喜びとするところであります。

さて、そのような草創期で育まれた金井高校の校風は、私が教員として戻った2000年代になっても変わることなく、受け継がれていました。私自身も、たくさんの困難や失敗に遭遇してもそれに向き合い、何事にも積極的に取り組む生徒たちや、生徒のことを大切に育てようという姿勢をもった同僚の教員の皆さんに囲まれて、とても充実した教員生活を送ることができました。金井高校の卒業生に高校の教員が多く、今現在も4名もの卒業生が教員として金井高校に在籍しているのも、このような校風によるものだと思っています。

あのコロナ禍を経て、50周年を迎えた今も、その校風が今も途絶えることなく続いていることは、もはやそれが金井高校の伝統であり、今も変わらず、その伝統を担い続けている現在の生徒の皆さん、そして教職員の皆さんもそのことを誇りにしてよいと思います。どうか、この伝統を絶やさぬよう、草創期の先輩方の気概を持って、金井高校の教育を紡いでいってください。

さて、この喜ばしい50周年式典を控えたこの時期に大変残念な知らせが入ってくることになりました。皆さんもご存じの通り、2031年度をもって金井高校が舞岡高校と統合され、新校になるという、神奈川県の発表です。これは「統合」という形ではありますが、金井高校から見ると2028年度入学生をもって生徒の募集を終了、54期生にあたるこの年の入学生の卒業をもって校舎の使用も終了する、というもので、私自身もたいへん大きな衝撃を受けました。母校があと5年で、少なくとも今の場所から無くなってしまうという状況は、統合後の新校に受け継がれていくものがあるとはいえ、金井高校関係者には大変つらいものとなりました。

しかし、あと5年間とはいっても、これまで脈々と受け継がれてきた金井高校の伝統を失わせて良いはずがありません。この間、笠原校長先生をはじめとする職員の皆さんは、在校生および今後入学してくる生徒のために、最後の5年間も「金井高校の学びを止めない」というスローガンのもと、質の高い教育を提供し続ける決意を示してくださいました。さらに、現在、50周年記念事業として進行中の「中庭の再整備」と「グラウンドの夜間照明設置」について、金井高校の学びを止めないことのシンボルとして完成させるとともに、将来的な新校への移設・移植を視野に入れた「金井高校の歴史の証を次世代へ継承する事業」を模索していく方針を示していただいています。

たとえ形としての「金井高校」が失われるとしても、金井高校で3年間を過ごした生徒の皆さんの中に、その高校生活の中で培った知識や経験、そして金井高校の伝統ある校風の中で育まれた同級生や先輩・後輩、そして先生方との絆が続く限り、また、統合後の新校に「金井高校」という学校が確かにあったことを示すシンボルや教育が引き継がれていく限り、金井高校の歴史が、伝統が失われることはありません。

今日、この場にいらっしゃる生徒、教職員、PTA、そしてご来賓の皆様と共に、また、この場にはいらっしゃらないけれど、金井高校の教育に関わってきたすべての皆さんと共に、これからの5年間「金井高校の学びを止めない」こと、そして、たとえ校舎が失われても金井高校の歴史と伝統をこれからも紡いでいくこと、を誓って、結びの言葉といたします。

 令和7年10月30日

 金井高校創立50周年記念式典にて

 神奈川県立金井高等学校創立50周年実行委員長、同窓会長、森 秀明