ひとこまコラム バックナンバー

絵本に触れる 2012/08/10更新 【チームつながる輪〜 #2】

はじめてのおつかい 『はじめてのおつかい』
筒井頼子【作】/林明子【絵】
福音館書店
(1977 出版)

 今年度本校では、県の「読書活動充実プログラム」の予算がつき、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会の「絵本を届ける運動」に参加することになりました。翻訳シールを日本の絵本に貼り、現地の子どもたちに届ける、という運動です。
 6月の放課後、図書委員会の絵本製作班とボランティア同好会に声をかけ、10人ほどで6冊の本にシールを貼っていきました。絵本は『はらぺこあおむし』や『ぐりとぐら』、『三びきのこぶた』など、有名で、懐かしいものです。「本にひととおり目を通してから貼ってみてね」と声をかけてみると、自然発生的に『はじめてのおつかい』の読み聞かせが始まりました。『はじめてのおつかい』は、5歳の女の子・みいちゃんの緊張がひしひしと伝わる絵本ですが、それを男子が読んでくれる、というのもなかなか楽しい体験です。
 こつこつとシールを切って貼りながら、話題は小さいころに読んだ本の話に。「エルマー読んだよー」「わかったさんのシリーズとかさー」「バムとケロ!」「てぶくろになんかいっぱい動物が入っていくやつなんだっけ」…みんな、いろいろな本に触れて育ってきたことがよくわかり、とても嬉しくなりました。
 このところ自分自身があわただしく、生徒とゆっくり話しながら作業をするような時間も取れていませんでしたが、学校図書館で働く醍醐味はここにあるんだなあと改めて思った、放課後の一コマでした。

<池谷 晶子>
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