ひとこまコラム バックナンバー

新しい風を 2012/08/10更新 【チームやまゆり #2】

マンガでわかる心理学 『マンガでわかる心理学』
ポーポー・ポロダクション【著】
ソフトバンククリエイティブ
(2008/06/24 出版)

 図書館で人気のある本、そうでない本の差は明らかだ。私たち学校司書は、「この本を生徒に読んで欲しいな」という思いを抱きながらいつも選書している。だが、うまく生徒の興味にはまらず滅多に日の目をみない本も多い。
 そんな本の1つに「新書」がある。新書といえば固い内容、文字がずらずらと並んでいるというイメージが強く、生徒が借りていくことは滅多になかった。珍しく借りていく人がいると思わず声をかけるが、大抵、高校3年生が受験に関係した内容で借りていくことが多い。このような流れであったが、最近本校の図書館では新書が少しずつ借りられるようになってきた。
 そのきっかけは「おすすめコーナー」であった。高校生に新書をたくさん読んでもらいたい、との思いからコーナーを作ってみたのである。展示する新書は@生徒が興味を持ちそうな内容である、Aなるべくイラストが多く読みやすい(見やすい)もの、という視点で選んだ。すると、少しずつではあるが新書を借りていく生徒が増えていった。
 よく借りられた代表的なものに『サイエンス・アイ』シリーズの新書がある。今回はその中でも人気の『マンガでわかる心理学』を紹介する。全ページカラー印刷、開くと左側に文字が、そして右側にはその内容がマンガで描かれている。この見やすさと「心理学」という内容が生徒の興味にヒットしたのかもしれない。休み時間中には「『口』って書いてみて」や「昨日どんな夢を見た?」など新書を片手に友だちと盛り上がっている姿を見かける。
 小説ばかりがよく借りられている本校図書館に、嬉しい流れが吹き込んできた。今後も様々な分野の本に興味をもってもらえるよう取り組みたい。学校司書のやりがいの1つである。

<三箇山明希>
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