ひとこまコラム バックナンバー

共存 2012/10/26更新 【チームひつじさん #4】

大人も知らない「本当の友だち」のつくり方 『マンガで読む 大人も知らない「本当の友だち」のつくり方』
松本 啓子【著】 かなしろ にゃんこ【漫画】
講談社
(2005/07発行)

 本校の図書館はとてもにぎやかです。むしろ騒々しいと言ったほうがマトを得ているかもしれません。放課後になると、聞こえてくる野太い野球部員たちの掛け声、ダンス部のノリノリの音楽と黄色い声。図書館横の廊下ではゴルフ部のパター練習も。そんな中、隣接する音楽室前で始まる吹奏楽の練習はまさに真打登場といった風合いです。時には、「U.RU.SA.I!!」と声を上げたくなるほど。というのに、館内の生徒たちは騒音(失礼・・)など気にならない様子。慣れか、諦めか集中力か?
 そんなある日、吹奏楽の2年部員が整理室から入ってきました。「自分の言うことを人にきかせられるようになる本貸してください!!きりっ!」これだけじゃわからない。何かわけがありそう。「どうした?」って聞いたとたん彼女の目から大粒の涙が・・・聞くと、部内で意見を言っても同期はおろか後輩にも耳を貸してもらえず、いつも悔しい思いをしているらしいのです。吹奏楽部は3年不在の少人数で頑張っています。そんな中もどかしい思いをしている彼女がいじらしく、思わずもらい泣きしてしまいそう。いやいやそんな場合じゃなく本を探さなくちゃ。とりあえず心理学?悩んでいるなら自己啓発本?「意のままに人を動かす」なんてのは違うかな?などと思いながら、紹介した数冊の本の中から彼女が選んだ本がこの本です。中高生女子の日常生活でありがちなトラブルに発展しかねない事例を取り上げ最初にマンガで描き、あとから解決策を説明していくという内容です。中高生向けにわかりやすく具体的に描かれています。シチュエーションは違っても、大人にも十分参考になりそうです。
 1週間後、「ありがとうございます。頑張ります!!」の言葉とともに本が返ってきました。この本は彼女の力になれたでしょうか?彼女の答えがこの本にあったのかはわかりません。ただ、その数日後、彼女が後輩を連れてやってきて言いました。「今度、トレーニングにヨガを取り入れてみる事にしたので、ヨガの本貸してください!!きりっ!!!」
 今日も図書館周辺はにぎやかです。でもまあ、今日はBGMとして聞き流せそうです。そうか!!生徒たちにはとっ くにBGMだったのかも。

<佐藤優子>
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