ひとこまコラム バックナンバー

コンビニ大好き    2013/6/27更新 【チームつながる輪〜 #12】

『公共空間としてのコンビニ』 『公共空間としてのコンビニ』
鷲巣力【著】
朝日新聞出版
(2008/10出版)

 ある日の放課後、高2の図書委員が次々と図書館にやってきました。慣れた様子で席につきます。年に数回、図書館の一角で行っている図書委員対象読書会なのです。司書が進行とファシリテーター的な役割を担っています。
 この日のテーマは「コンビニ」。司書の「みんなはコンビニ好き?」の問いかけに対し、間髪を入れずに生徒が「よく行く」「お菓子好き」「絶対アイス!」と答えて、読書会は和気あいあいとした雰囲気で始まりました。コンビニのレイアウト図面や売れ筋商品などの図表を見ながら、ディスカッションとプレゼンテーションを行い、さらに資料のスピード黙読も挟みます。生徒がなかなか発言してくれない場合もありますが、ディスカッションでは意見の是非はいっさい問わず、まず発言し、さらに考えて考え抜くようにリードします。
 「コンビニ」は、「なぜこの棚にこの商品があるのか」「人の身体や行動と関係があるのか」など日常ではあまり考えることがない切り口に新鮮さを感じるらしく、生徒の満足度が高いテーマです。そこで、コンビニ空間について書かれたものを探していたところ、この本にたどり着きました。「太陽」編集長や大学講師を務めた著者ならではの多角的な視点が興味深く、読書会やao受験のレポート用としても活用しています。
 とにかくお菓子はじめ食べものに生徒の関心が集中するので、この読書会の前にはコンビニ巡りをしてお菓子の情報を集めています。

<石井 妙子>
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