ひとこまコラム バックナンバー

元気もらえます 2014/4/23更新  【チームつながる輪〜  #22】

『希望のいる町』 『希望のいる町』
 ジョーン・バウアー【著】  中田 香【訳】  金原 瑞人【選】  
 作品社
(2010/3)


 以前、トーハン週報でこの本が紹介されていたときには、あまり指が動かず書店に発注をしませんでした。 ところが、椅子に座って立ち読みをしていい大型書店で見かけて、手にとって読んでみると面白いではありませんか。 しばらく立ち読みをしてしまったという本です。
 主人公のホープは父親も分からず、母親からも半ば捨てられ、伯母に育てられているという境遇ながら、 アルバイトのウエイトレスに打ち込む前向きで頑張り屋の女子高生。 信頼していた人に裏切られ、引越してきた小さな田舎町で、町長選に携わり、その活動を通して、大人に異議を唱え、 声をあげることの大切さを学んでいきます。
 高校生が選挙運動にかかわる姿が描かれていることや、すべてがうまくいく終わり方ではなくほろ苦さを伴うようなハッピーエンドも新鮮でした。
 著者のジョーン・バウアーは、他にも女子高生が主人公の作品を書いていて、どの子もかわいくて逞しいです。 「靴を売るシンデレラ」、「パティシエ・ガール」、「女子高生記者ヒルディのスクープ」もお勧めです。
 どの作品も元気が出ます。

<金子 和美>
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