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夏にオススメ。怪談えほん。 2014/09/24更新  【チームやまゆり #27】

『いるの いないの』 『いるの いないの』
京極夏彦【作】 町田尚子【絵】 東雅夫【編】
岩崎書店
(2012/2 出版)

 暑くなってくると少しでも涼しい雰囲気を演出したい!そこで登場するのが怪談えほんシリーズです。宮部みゆき、加門七海など著名な作家によるお話。そして1冊1冊別の作家によるイラスト。どの本も美しいイラストなのにどこか寂しく影がある。この本の扉を開くと何かが飛び出してくるような気配…。
 このシリーズの中で1番人気は『いるのいないの』です。おばあさんの家で暮らすことになった主人公の少年。おばあさんの家は古い日本家屋で天井は高く大きな梁があります。梁のうえは暗い。彼はその天井が気になって気になってしょうがないのです。「おばあちゃんはあそこにのぼったことはある?」「ないよ。のぼれるもんかね。あんなにたかいのに」。ところがある日、彼は見てしまうのです。「あそこにてんじょうのはりのところにだれかいるよ」。
 この絵本を観ていると必ずと言っていいほど、最後の1ページで「おおっ!」と驚きの声があがり、すぐに本を閉じる生徒、「怖ー!」という感想を漏らす生徒の姿がみられます。ちなみに購入した当時、ちょっとした話題になったのが最後のページの絵。「あれは・・・だったの?」答えは2つに分かれてしまい、でも、もう一度そのページを開いて凝視することもできず「?」のまま読み終わるという始末でした。ご覧になった方、教えてください。「あれは…だったんでしょうか」。

<前田>
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