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息抜きの場として  2015/08/25更新  【チームひつじさん #38】

『職業は武装解除』(朝日文庫) 『職業は武装解除』(朝日文庫)
瀬谷ルミ子【著】
朝日新聞出版
(2015/05発売)

 この本は、紛争地で兵士を除隊させ、武器を回収する「武装解除」の専門家が自らの半生を綴ったものです。タイトルも内容もハードですし、文字どおり命がけの仕事です。ですが、文章がとても読みやすく、紛争地でセクハラに遭った時の描写など乙女心も、のぞかせています。また現在の職業に就くきっかけが高校の時にあり、高校生に進路について考えてもらうには良い本かなと思います。
 新着案内で紹介したところ、偶然ですが3年生の英語の教科書にも取り上げられていて早速、3年生が借りていきました。それ以来、手に取られる率、けっこう高いです。
 図書館の利用者は教室が近いこともあり、3年生が中心で、よく自習にやって来ます。その中に時々2年生、たまに1年生という感じでしょうか。
 昨年着任当初は、ただの自習室かぁと思っていましたが、よく観察してみると……生徒は時々、机に向かう前に新着図書コーナーに立ち止まってくれます。そして、その時間中は本が消え、休み時間になると元に戻るということがよくあります。そうか、勉強だけでなく息抜きもしているんだ、と気づきました。生徒の会話からは「図書館は集中できる。」「誘惑が多い。」などと聞こえてきます。これからも生徒を誘惑するような本をたくさん入れられたらなあと思っています。  

<青柳 美和子>
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