ひとこまコラム バックナンバー

少女だからって甘くない  2017/06/01更新  【チームつながる輪〜 #59】

『オーブランの少女』


『オーブランの少女』
(創元推理文庫)

深緑 野分【著】
東京創元社
(2016/03発売)

 表題作を始めとした5作品が入った短編集。舞台となる時代・国・背景はすべてバラバラなのに、鍵を握るのはすべて[少女]たち。でも甘々な青春小説かと思って読み始めると、鋭利な筆運びにあっという間にその世界に引き込まれ、バッサリ切り落とされるのでご用心。短編集なのに読みきった感がハンパない。
 といったことで、本校でも本好き女子生徒たちからは絶賛の嵐!そのあたりは予想の範囲だったのですが、実は男子にも勧めてみるとウケがいいのは嬉しい誤算。短編で読みやすいからと思っていたら、生徒から「お母さんが読んでいた萩尾望都のマンガの世界に似てる」と言われて納得。~あれが好きなら、男子だって好きだよね~と妙に盛り上がったりニンマリしたり。そんなやりとりが日々カウンター周りで繰り広げられる図書館です。
 著者は昨年度『戦場のコックたち』で直木賞や本屋大賞の候補になり、突然注目されましたが本書はそれより前に書かれた短編デビュー作だそうで、まさにその才能は恐るべし。
 ちなみに今年度の神奈川近代文学館主催「高校生限定 作家トークイベント」(12月開催)のゲスト作家に決定したとのこと。間近で深緑さんに会える!きっと生徒たちは喜ぶだろうな。

<亀田 純子>
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