更新日:2025年6月19日
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今年度よりスタートした本校の新講座「ビズテックラボ」が、ビジネス科と技術科の課題研究で特別コラボ授業として始動しました。この授業は、各学科12名ずつ(計24名)の生徒が学科の垣根を越えてチームを組み、「実社会に役立つアイデアの創出から試作製作」に挑む、総合ビジネス科(商業)と総合技術科(工業)を併せもつ商工高校だからこそ実践できる探究型プログラムです。
第1回の授業では、まず「自己紹介で仲間と出会う」をテーマに、名刺交換や価値観共有カードなどのアイスブレイクを実施。続いて仮想企業『商工カンパニー』を設立し、協働の土台を作りました。
第2回では、その商工カンパニーの“存在意義”をグループで話し合い、ミッション(企業理念)を創出。さらに、「身近な困りごと」について一人ひとりが問題提起し、それを社会課題として捉えるワークショップに取り組みました。
どの授業も、生徒たちは真剣な表情と時折笑顔を交えながら、活発に意見を交わし、主体的に活動に取り組んでいました。
また、技術科の生徒12名は、今後のものづくり活動に向け、3Dスキャナーと3Dプリンターの操作方法を習得しました。アイデアを形にする技術の習得も着実に進んでいます。
ビズテックラボでは今後、企画立案から試作品製作、発表までを通じて、生徒が実社会を見据えた学びを深めていきます。今後の展開にもどうぞご期待ください。
ワークショップの様子 3Dプリンターの操作
第6回は、プロトタイプを「実際にこのように使ってみる」というプレゼンをしました。アイデアの有効性や改善点を見つけ出す回となりました。各チームは他チームにプロトタイプを試してもらったり、使い手の視点で評価を行いました。「思ったより伝わらない」「ここが使いにくい」「もっとこうした方がいい」といった率直なフィードバックが飛び交い、チーム内での話し合いもより深まりました。この回を通じて、生徒たちは「つくって終わりではない」「使われて初めて見える課題がある」という探究の本質を体感。改善の必要性を受け入れ、次のアクションへつなげようとする前向きな姿勢が多く見られました。今後は、得られたフィードバックをもとに、プロジェクトの最終形へ向けた「ブラッシュアップ」のフェーズへと進みます。
プロトタイプ作成のメモ
プロトタイプをプレゼンするポスター
第5回では、これまでの探究の流れをふまえて、「アイデアを形にする」プロトタイピングの設計に入りました。まず、各チームが自分たちのアイデアをプレゼン形式で発表し、教員や他チームからフィードバックを受けました。「誰に、どのように使ってもらうか?」「実現可能性はあるか?」といった問いを通して、アイデアの実現性や必要性を客観的に見直す機会となりました。その後は、紙やスライド、クラフト素材・紙粘土を用いて、簡易的なプロトタイプ(模型やモックアップ)を制作。中には、実際に簡易アプリの画面構成を作ったチームや、サービスの利用シーンを寸劇で再現するチームもあり、それぞれの工夫が光りました。実際に「手を動かして考える」ことで、アイデアがより具体的な形を持ち、プロジェクトのリアリティが高まった回となりました。
プロトタイプの簡単な設計図
プロトタイプを作成するための練習
(スマホスタンド)
第4回では、リサーチを通して得た課題意識をもとに、「どうしたら解決できるか?」という視点でアイデア発想を行いました。今回は発想法として「SCAMPER法」や「オズボーンのチェックリスト」といった具体的なフレームワークを導入。「置き換える」「拡大する」「結合する」などの視点から既存の枠を超えた発想に挑戦しました。生徒たちは、ホワイトボードやスライドを活用しながら、各チームでブレインストーミングを展開。「え、それ面白い!」「現実的にどう使える?」といった対話が重なり、少しずつアイデアが「仮説」として立ち上がっていく様子が見られました。ここで生まれたアイデアの中には、「お年寄りのスマホ使用支援アプリ」「無人販売所にAI機能を搭載」など、今後のプロトタイピングにつながる可能性を秘めたものも。創造力と論理性を行き来しながら、「解決に向けた第一歩」となる回となりました。
「ひらめき」を形にする① 「ひらめき」を形にする②
第3回の授業では、前回の「問い」をもとに、いよいよチームごとの「探究テーマ」を確定させました。「地域の空き家をどう活用するか」「学校の自販機をもっと便利にするには」「SNSと心の健康」など、テーマは多岐にわたります。後半はテーマに基づき、Googleを活用した調査、統計資料の読み取り、実際の現場の情報収集など、具体的なリサーチに着手。「この問題は、どんな人たちに関係している?」「どんな背景がある?」と、社会との接点を見出す問いを重ねながら、テーマの深掘りを行いました。探究の初期段階である今だからこそ、「自分たちが本当に知りたいこと」に向き合う時間となり、生徒たちの目の色が変わっていくのが伝わってきました。次回からは、いよいよ“解決のアイデア”に向けたステップへと進みます。
第2回では、「問いを立てる」ことをテーマに、チームでの対話と発見を重ねました。今回はKJ法(付箋を使ったアイディアの整理)を用い、生徒たちは「身の回りで不便に感じていること」「最近気になる社会の動き」などを自由に書き出し、グループごとに分類・ラベリング。見えてきたキーワードから、「なぜそう思うのか?」「どうすればよくなる?」といった新たな問いが次々と生まれました。先生はあくまでファシリテーターとして関わり、生徒たちが自ら考え、対話することを尊重。授業の終盤には、チームごとに「探究テーマのタネ」が明確になり、探究の方向性が少しずつ輪郭を帯び始めました。生徒たちからは「自分の疑問が、意外とみんなにも共通していた」「答えがないって面白い」といった声があがり、学びが“自分ごと”になっていく変化が見られました。
ビズテックラボの様子
2025年度のビステックラボがいよいよスタートしました。第1回の授業では、「ビジネス×テクノロジー×探究」をテーマに、1年間の学びの全体像を共有。冒頭では、デザイン思考やプロジェクトベースドラーニング(PBL)の手法を紹介し、日常生活や社会の中に潜む“課題”に気づく力を養うことの重要性を学びました。その後、生徒たちはグループに分かれ、自己紹介を交えながら「自分たちはどんなチームか?」を模索。チームごとの目標や得意分野、興味関心の共有を通じて、「共に探究する仲間」としての基盤づくりを行いました。教室内では、「面白そう!」「それって課題なのかも」といった前向きな声が飛び交い、生徒一人ひとりの好奇心が自然と立ち上がる様子が印象的でした。これからの学びに向けた“スタートの一歩”として、意欲と期待感に満ちた時間となりました。