更新日:2020年3月6日

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卒業式

3月2日(月曜日)に卒業式を挙行しました。今年度の卒業式は新型コロナウィルスまん延防止の対応のため、卒業生、在校生代表と教職員のみでの挙行となりました。高校生活で得たたくさんの思い出と仲間たちを胸に、新たな進路先へ向け良いスタートをきりましょう。

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校長あいさつ

卒業式3月2日(月曜日)定時制

 

ただいま、23名の皆さんに「卒業証書」を授与しました。改めまして、ご卒業おめでとうございます。一人ひとり、いろいろな思いがあり、今日を迎えることができたと思います。「卒業証書」受け取る皆さんの表情をみて、「いい顔しているな」と思い、胸が熱くなりました。

残念ながら、新型コロナウィルスの蔓延の影響で、一生で一度の高校の卒業式をこのように規模を縮小しなければならず、皆様、保護者の皆様に対して、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。皆さんの命、健康を守るための対応であることをご理解いただきたいと思います。一日でも早く、新型コロナウィルスのまん延の収束を祈っております。

でも、このような時こそ、皆さんで気持ちを一つにして、自分たちで思い出に残る素晴らしい式にしてください。

さて、卒業生の皆さん、高校生活を振り返って、一番思い出に残っていることは何でしょうか。文化祭ですか、体育祭ですか、苦しかったマラソン大会ですか。それとも友達と過ごした何気ない日常ですか。

文化祭では、学年の壁を越えて、飲食販売を行い、

めちゃくちゃ大変だったけど、大盛況でした。普段とは違う貴重な体験ができたと思います。その中で仲間への思いやりや優しさ、お客さんへの気配りなど、教科書に書いていない、これからの社会でも必ず必要となることが学べたのではないでしょうか。

体育祭では、生徒会生徒を中心に、自分たちのために自分たちで種目の企画し、当日の運営まで、皆さんが体育祭の大成功を導いてくれました。すばらしいことです。充実感や達成感を味わえたことでしょう。みんなで盛り上げてくれ、一人ひとりが輝いていましたね。

学校説明会では、今年から生徒中心で行い、ちょっとお兄さん、お姉さんになり、中学生を温かく迎えてくれました。スーツ姿の皆さんを見て、新採用の先生かと思ったくらいかっこよかったです。

皆さんのおかげで、定時制のイメージが大きく変わり、中学生がいきたくなるような学校へと変わってきていると思います。感謝しています。ありがとうございました。

この2年間、始業式、終業式で、皆さんには、いろいろな話をしました。

今回は最後の話です。テーマは「信念」です。皆さんは「信念」をもっていますか。

記憶に残っている人は多いと思いますが、昨年のラグビーW杯での日本代表の活躍は素晴らしかったですね。私もラグビーは、大好きでサッカーやってなかったらラグビーやっていたと思います。高校の時は体育の授業でラグビーがあり、雨の中でも平気でやり、泥だらけになり、楽しかった思い出があります。

そのラグビー日本代表が、予選リーグ2試合目、強豪アイルランドと対戦しました。記憶にあると思いますが、19-12、歴史的勝利を収め、再び世界を驚かせました。ジョセフ・ヘッドコーチは試合の後のインタビューでこう言ってました。「何といっていいかわからない。信念を貫いたことが勝因だ。選手を誇りに思う」です。どんな信念を貫いたのでしょうかね。

その試合前夜のミーティングで、1つの話が共有されました。

世界最高峰のエベレストで遭難をした人が、途中で1枚の地図を見つけ、それを頼りにどうにか下山に成功しました。しかし、下山後、その地図は別の山のものであったことが判明しました。命がけで下山したその人は、その地図を信じて、最後まで頑張ったのでしょう。たとえ違う山の地図だとしても。

「不可能に見えても、信じて戦えば道は開ける」。それは、日本代表にとって、仲間を信じること、そして、自分たちがやってきたことを信じることでした。

「誰も日本が勝つとは思っていない。だれも俺たちが犠牲にしてきたものを知らない。勝つと信じているのは自分達だけだ。」と主将リーチマイケルは言い切っり試合に臨みました。これが日本代表の選手たちの信念だったんですね。

こうして、強豪アイルランド戦に勝ち、本当の意味で「ONETEAM」になったと言われています。

 

信念という字は、人べんに言う、今・心と書きます。「人に言う、今の心を。」ようするに「今の心を人に伝えること」から信念が生まれるんですね。

自分が信じたものを口に出す。そして、迷わず進むこと。結果はあとからついてくるものだと思います。

夢ややりたいことを口に出すことで、それを支援してくれる人は必ず現れます。仲間が増え、実現の可能性は今より広がるはずです。

遭難した人のように、不安があるから、藁をもすがる思いで、地図をみて信じて進む。今、見ているもの、思っていることを信じる。そうすれば、未来は変えられるのです。迷って、悩んで立ち止まってもいい。そこから前をみて、今を信じて、歩き始めること。

ラグビー日本代表の選手たちのように、自分がやっていることを信じることができなければ、成功はありません。それが信念だと思います。

 

これからの人生で自分らしい、「信念」というこだわりを持って生きてください。そして、今、思っていること、やろうとしていることを大切にしてください。

最後になりましたが、今日、式に参列できなかった、一番近くで見守ってくれた、大切な人に今の気持ちを伝えてください。

いろいろな思いがあったと思います。その一言が最高の恩返しになると思います。

 

そして、卒業生の皆さんは、これからも「伊勢原FAMILY」の一員として、後輩たちにいい刺激を与えるために、また戻って来てください。私たちは、いつでも歓迎します。

23名の皆さん、本日は誠におめでとうございます。どうぞ、健康に留意され、ご活躍ください。人生の成功を職員一同、祈っております。頑張れ!

令和2年3月2日

神奈川県立伊勢原高等学校長広瀬邦彦