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更新日:2022年8月25日

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生徒の皆さんへ

 新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、政府により緊急事態宣言が発令され、現在県立学校は臨時休校となっています。5月5日には、県教育委員会より県立学校の臨時休業を5月31日まで延長するとの通知がありました。今年のゴールデンウイークはステイホーム週間となりましたが、生徒の皆さんはどのように過ごしてきましたか。

 臨時休校は今年の3月2日から始まっており、合わせて3カ月に及ぶことになりました。授業は遅れ、部活動における大会もすべてが中止になりました。6月4日に予定していた本校体育祭も、残念ながら実施することはできません。外出の自粛が続くことによってストレスが高まったり、不安を感じたり、意欲や活力を保てないと思う生徒は少なくないと思います。これに対し、校長として皆さん一人ひとりに気の利いた言葉をかけることができないのが残念ですが、それでも現状を受け入れ、次につなげていくしかありません。

 ところで、皆さんにはこの3カ月の臨時休業中の生活の中で気づいたこと、得たことはありますか。ここでは私なりに考えたこと、改めて感じたことを三つほどお伝えしたいと思います。

第一に、「人に迷惑をかけない行動」というのは、人の命にもかかわることであって、守らなければ大変なことになるかもしれないということです。マスクをする、3密(密閉、密集、密接)を避ける、不要不急の外出を控えるというのは、感染症にかからないためだけでなく、他人にうつさないためでもあるのでした。「自制する心」の大切さを改めて知りました。事は起こってしまってからでは遅いのです。第二に、人が生きる上で、コミュニケーションは不可欠なことであることです。社会人の中にはテレワークで在宅勤務をしている方が増えており、今後もIT化は進むでしょう。しかしどうやら生産効率の上では、集合して活動する方が高いようですし、またコミュニケーションは確実に人間力を高めてくれます。ここでいう「人間力」とは知力、体力と適応力(状況に対応する力)を含めた人間の総合力のことです。第三に、学習・部活動・学校行事など、一つのことに頑張る姿は尊いということです。「充実」とはどんな時に感じられるのでしょうか。時間つぶしのような生活からは充実感は得られないことを、この一週間でなおさらながら感じたところです。

 繰り返しになりますが、臨時休業がさらに月末まで続きます。学校では、学力を少しでも高められるよう、学習課題を提出期限を設けて課します。5月中は年次ごと、クラスごとに時間差をつけて、学習課題の受け渡しのための登校する日を設けます。また、自宅でオンラインを通じた学習に取り組めるための機器の整備を行う予定を立てています。授業再開後に皆さんがスムーズに学習活動に入れるように、しっかり準備をしておいてください。特に3年次生は、学校が再開されるとすぐに進学、就職のための活動を始めなくてはなりません。自分の希望と現在置かれている条件がどうなのか、この自宅学習の期間にしっかり考え、家族とも相談しておいてください。

 「災い転じて福となせ。」これが今年の目標となります。皆さんには健康に十分に注意して、体調維持に努め、コロナウイルスを含めた感染症にかからずに学校が再開できることを願って結びとします。

 

 令和2年5月7日

県立平塚湘風高等学校 

 校長 牛久保 浩一