更新日:2025年3月19日
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金沢称名寺に伝来した国宝「称名寺聖教・金沢文庫文書」は、中世に生きた学僧の足跡をリアルに伝える一大史料群として知られています。なかでも16,000点におよぶ「称名寺聖教」は、称名寺やその周辺寺院、京都や奈良の諸寺院で活躍した学僧たちの修学の成果を伝える一方、彼らの残した手紙からは、悲喜こもごもの心情や、学問を志しながらも世事に奔走していた様子がうかがえます。本展覧会ではそうした史料を読み解きながら、有名無名の学僧の生き様をご紹介します。
称名寺の歴代長老、とくに初代審海、第二代釼阿、第三代湛睿については、100年近くに及ぶ県立金沢文庫の研究活動によって詳細な事績と修学のあり様が解明されてきました。しかしながら、中世の称名寺は長老以外にも多くの個性的な僧侶が集い、学ぶ場であり、その結果「称名寺聖教」の一角を構成する特徴的な聖教や古文書が遺されました。本展覧会では歴代長老の周辺で活動した、知られざる学僧たちに光をあてたいと思います。
本展は全四章構成で、第1章では称名寺の全盛期を主導した釼阿のもとで聖教の収集、書写をおこなった乗一、澄尊を取り上げます。第2章では、湛睿と同時期に活動し、各地の寺院を遍歴し、修学に邁進した全海、亮順に注目し、彼らの蔵書を紹介します。第3章では、戦乱の時代に称名寺や関東の諸寺院を巡って修学・修行に努めた湛円、鏡心に注目します。第4章では、「称名寺聖教・金沢文庫文書」や関連する文書群のなかに見える、僧侶の修学を寺院経営という面で支えた僧侶たちに光をあてます。
主催 |
神奈川県立金沢文庫 |
---|---|
会場 |
神奈川県立金沢文庫 |
会期 |
令和5年7月28日(金曜日)~9月24日(日曜日) |
休館日 |
毎週月曜日(9月18日開館)、9月19日(火曜日) |
観覧時間 |
午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで) |
交通 |
京浜急行「金沢文庫」駅下車徒歩12分(品川駅より快特33分) JR根岸線「新杉田」駅接続、シーサイドライン「海の公園南口」駅下車徒歩10分 当館に駐車場はございません(身体障がい者用を除く)。 ご来館の際は、公共交通機関をご利用ください。 |
No. |
種別 |
文化財指定 |
作品名 |
備考 |
---|---|---|---|---|
1 |
古文書 |
国宝 |
鏡心日記 |
称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫/管理 |
2 |
古文書 |
国宝 |
仲文章要文 |
称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫/管理 |
3 |
古文書 |
国宝 |
富士縁起(断簡・全海筆) |
称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫/管理 |
4 |
古文書 |
国宝 |
聖教目録 什蔵 |
称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫/管理 |
5 |
古文書 |
不動明王二童子像 |
称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫保管 |
月例講座 「称名寺に伝わる『覚禅抄』について」
令和5年8月26日(土曜日)向坂卓也(神奈川県立金沢文庫学芸課長)
月例講座 「学僧の修学と日常」
令和5年9月23日(土曜日・祝日)三輪眞嗣(神奈川県立金沢文庫学芸員)
「東大寺展」図録活用講座 第1講「あの時の東大寺展 ―展覧会の裏で―」
令和5年8月20日(日曜日)山地純(神奈川県立金沢文庫主任学芸員)
「東大寺展」図録活用講座 第2講「東大寺の法会と財政」
令和5年8月27日(日曜日)三輪眞嗣(神奈川県立金沢文庫学芸員)
「東大寺展」図録活用講座 第3講「国宝 僧形八幡神坐像について」
令和5年9月9日(土曜日)瀬谷貴之(神奈川県立金沢文庫主任学芸員)
「東大寺展」図録活用講座 第4講「東大寺文書の歴史」
令和5年9月18日(月曜日・祝日)湯山賢一(神奈川県立金沢文庫文庫長)
毎週 土曜日・日曜日・祝日
1.午後2時から 2.午後3時から
区分 |
個人観覧料金 |
団体観覧料金(団体は20名以上) |
---|---|---|
一般 |
400円 |
300円 |
20歳未満及び学生 |
250円 |
200円 |
65歳以上 |
200円 |
100円 |
高校生 |
100円 |
100円 |
展示室内での注意事項