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更新日:2023年7月18日

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令和4年度 Scuolaセミナー・Scuolaキャンプ

Scuolaセミナー

Scuolaセミナーは、放課後や土曜日、日曜日等に大学や企業から講師を招き、講義・ワークショップ・実験等を通した体験的な学びの場として実施しています。

第12回「JAXA」(研究施設訪問企画)

令和5(2023)年3月15日(水曜日)に、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の相模原キャンパスを訪問し、宇宙工学について学ぶためのScuolaセミナーを開催しました。

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宇宙科学探査交流棟では、宇宙科学研究所OBの 清水 幸夫 さんに展示の解説をしてもらいながら見学することができ、日本のロケット開発や宇宙探査の歴史を知ることができました。

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また、宇宙科学研究所の 佐伯 孝尚 教授に宇宙工学の講演をしていただきました。「はやぶさ2」のオペレーションにおける工学分野の様々な工夫には、最先端の技術を知ることができ、生徒も感動していました。管制室の実際の様子なども映像で紹介してくださり、その臨場感や宇宙探査に携わる方々の熱意を知ることもできました。

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講演の後には、宇宙科学探査交流棟の展示物を自由に見学し、宇宙探査にロマンを感じることができたのではないでしょうか。

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大人になってからもワクワクするような仕事、成功して泣けるような仕事ができることに憧れを感じ、科学研究の分野に進んでくれる生徒がいるといいなと思います。

JAXAを知る、とても貴重な機会になりました。

 

第11回「香料の科学」

令和5(2023)年2月25日(土曜日)に、香料について学ぶためのScuolaセミナーを開催しました。講師は、高砂香料工業株式会社の 菅原 俊二 さんと 荒木 将司 さんです。

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講座用に「本日の香料一覧」として28種類の香料を準備していただき、その成分を染み込ませた匂い紙の香りを自分たちで確かめました。人によって嗅覚に個性があり、強く感じる香りに違いがあることや、香りの受け取り方(良い匂いに感じるか不快な匂いに感じるか)にも違いがあることが分かり、とても盛り上がりました。

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自然に存在するものから抽出した香りの成分や、人工的に合成して再現した香りの成分を実際に自分の嗅覚で確かめることができ、貴重な体験になりました。

下の写真は、自然の香料である白檀(ビャクダン)や伽羅(キャラ)を熱して、香りを確認しているところです。教室が良い匂いに包まれました。

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講義では、自然にある香り、日常にある香りを科学的に分析して再現する手法や、香りの効果を検証する手法についても紹介していただきました。

また、調香師(パフューマーやフレーバリスト)のスクリーニングのために開発された嗅覚同定能力研究用カードキットを用いてOpen Essence(オープンエッセンス)と呼ばれる検査を体験することもできました。

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人と香りの関係を研究することが商品開発に活かされていることを知り、科学的な視点で分析することの有用性について学ぶことができたのではないでしょうか。

「香料を科学する」、とても貴重な機会になりました。

 

第10回「落体の運動」

令和5(2023)年2月4日(土曜日)に、空気抵抗のはたらき方を実験的に学ぶためのScuolaセミナーを開催しました。講師は、電気通信大学大学院情報理工学研究科の 中村 仁 教授です。

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物体の落下運動について、もっとも簡単なモデルで考える運動(自由落下運動)と実際の運動(空気抵抗がはたらく状況での運動)を比較し、どのような特徴があるのかを学んでから、自分たちで実験して空気抵抗のはたらき方について考察しました。

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実験で得られたデータからグラフを描いてみると、お弁当のおかずの区分けのために用いられるカップの落下運動は、比較的はやく終端速度になって落下していることがわかります。生徒は、描いたグラフの傾きが何を意味するのか、終端速度の大きさとカップの枚数の関係などについて考察することで、実験から学べることの多さに気付けたのではないでしょうか。

「実験で確かめる」、その手法を学ぶことができた貴重な機会になりました。

 

第9回「素粒子で探る宇宙のなぞ」

令和5(2023)年1月28日(土曜日)に、素粒子と宇宙について学ぶためのScuolaセミナーを開催しました。講師は、東邦大学理学部物理学科の 中 竜大 先生です。

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自然は何からできているのか、という人類の根源的な問いを研究する素粒子物理学について、高校生向けにわかりやすく説明してもらいました。どれだけ有用な理論で予想されるものでも、素粒子の存在は必ず実験的に証明される必要があることや、これまでの実験的な試みなども紹介していただき、生徒が科学研究のあり方について学ぶ貴重な機会になりました。

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実習では、原子よりも小さい素粒子(電子顕微鏡で見えるサイズの1万分の1以下のスケール)を観察する方法として、「霧箱」による観察や「原子核乾板」による観察を行いました。

 

<霧箱を用いた見えない粒子(放射線)の飛跡の観察の様子>

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生徒は、実際に自分たちの目で素粒子の存在を確認することができ、感動していました。

 

講義の最後には、素粒子と宇宙の関係について学び、現在知られている素粒子の中に宇宙の構成要素であるダークマターの候補になりうるものがないことや、ダークマターを検出する研究やシミュレーションを用いた理論研究などについても紹介していただきました。

素粒子から宇宙まで、壮大なスケールの自然に対する興味と関心が湧いてきますね。

 

第8回「小惑星のデータ分析」

令和5(2023)年1月25日(水曜日)に、データ分析の手法について学ぶためのScuolaセミナーをオンラインで開催しました。講師は、北海道大学大学院理学研究院の 鎌田 俊一 准教授です。

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最初に、太陽系がどのような天体で構成されているのかを学び、小惑星には太陽系の形成と進化の情報が記録されていると考えて、自分たちで小惑星の特徴を捉える実習を行いました。

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実習では、JAXAが公開している科学衛星「あかり」のデータを用いて、小惑星の反射スペクトルから表層物質をある程度推測できることを知り、各自のPC端末でグラフを描いてデータを分析しました。(表計算ソフトExcelを使用)

「各小惑星の反射スペクトルの情報と小惑星の特徴(軌道長半径や大きさなど)との相関を考える」という発想から、科学的にデータを分析する手法とはどのようなものなのかを考える貴重な機会になりました。

生徒の今後の学びにつながる講座になったと思います。

 

第7回「天体観測基礎」

令和4(2022)年12月16日(金曜日)に天体観測の手法について学ぶためのScuolaセミナーを開催しました。講師は、神奈川県立青少年センター科学部科学支援課の山田さんです。

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本校にある天体望遠鏡を用いて天体観測を行います。生徒は、天体望遠鏡や赤道儀の使い方を学び、自分たちで観測会が開催できるようになることを目指して、熱心に講義を受けていました。

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講義の後には、屋上に移動して天体望遠鏡を組み立て、「土星」「木星」「火星」の順に観察しました。土星の輪や木星の縞模様と4つの衛星、火星が望遠鏡のレンズを通してどのように見えるのか、楽しんで観察できたようです。

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観望会の後には、観測データの分析方法について学びました。

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興味があることを「実際にやってみる」ことで得られる学びがあり、とても貴重な機会になりました。

 

第6回「理化学研究所 生命医科学研究センター」(研究施設訪問企画)

令和4(2022)年12月9日(金曜日)理化学研究所横浜事業所を訪れ、生命医科学研究センター(IMS)を見学させていただきました。

まず、理化学研究所のあゆみから見る日本の科学技術の歴史を紹介していただき、壮大なスケールに圧倒されました。その後、施設内見学の際は耳にレシーバーをつけ、遺伝子解析施設に入る際には緑衣(りょくい)と靴カバーを装着し、少し緊張しながら見学を進めました。研究支援専門職の方から丁寧に解説していただき、廊下に並んだ動画パネルや、実際に使われているシーケンサー等を窓越しに覗くことができました。これまでのセミナーの実習で手に取った事がある実験器具から最先端の機器までの発展の過程が実物の展示で示され、熱心に解説を読んだり、質問をしたりする生徒の姿から、知的好奇心の高さがうかがえました。質問にはコーディネーターの方にも対応していただきました。
   

また、本校卒業生の専門技術員の方から「ここで働いている人は、文系・理系問わず様々なキャリアを経ている」ことや、「自分の好きな事に一生懸命取り組む大切さ」をお話いただきました。生徒にとって、別世界だと思っていた研究所を身近に感じる事ができた、とても貴重な機会となりました。

 

第5回「物質の表面観察」(リモート実験講座)

令和4(2022)年11月18日(金曜日)に走査型プローブ顕微鏡について学ぶためのScuolaセミナーを開催しました。講師は、島津製作所総務部の松井さん(進行)と走査型プローブ顕微鏡のスペシャリスト松田さん(講師)です。

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「物質の表面観察」というテーマで、CD-Rの表面を走査型プローブ顕微鏡で観察した結果をもとに、情報がCD-Rのどこに記録されているか学びました。各自に配られたCD-Rの表面を手で触ったときの感覚と顕微鏡で観察される表面の粗さの関係についても、実際の感覚と合わせて理解することができました。

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質疑応答の時間には、松田さんが走査型プローブ顕微鏡で実際に観察してみたものとその測定結果について紹介していただきました。自然に近い状況での観察方法や、測定できるものの多さに、生徒は驚きと関心を持っていました。

科学技術において、どのような観察・測定の手法があるのか、どのような研究例があるのかなど、理化学機器メーカーの方から直接話を聞くことができ、とても貴重な機会になりました。

 

第4回「謎のお肉のDNA鑑定」(リモート実験講座)

令和4(2022)年11月11日(金曜日)にDNA鑑定について学ぶためのScuolaセミナーを開催しました。講師は公益財団法人かずさDNA研究所の長瀬隆弘特任研究員、平岡桐子主任研究員です。 

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「謎のお肉のDNA鑑定」というテーマで、PCR検査の手法について実験を通して学びました。各自に配られた食肉片(ブタ・トリ・ウシのどれか)の正体をPCR検査で特定しました。 

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生命科学の歴史における遺伝子工学、DNA研究の重要性や現状について、研究者の方から直接話を聞くことができ、とても貴重な機会になりました。 

積極的に質問する姿勢や楽しそうに実験に取り組む様子から、生徒が自分の学びを大切にしようとしていることがよく伝わってきました。 

 

第3回「国立極地研究所」(研究施設訪問企画)

令和4(2022)年9月14日(水曜日)と15日(木曜日)の2日間の日程で国立極地研究所について学ぶためのScuolaセミナーを開催しました。

〔第1日:オンライン講演会〕

今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、講演はオンラインで実施しました。講師は国立極地研の宙空圏研究グループの江尻准教授です。

「宇宙と地球のはざまの大気を観測・研究する」というテーマで講演していただき、CDを用いた簡易分光器を作成して光の観測を体験してみるワークショップなども取り入れた形で、高校生向けに研究内容を説明していただきました。

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「何を調べる(研究する)ために、何を観る(測定する)のか」という科学研究のポイントが伝わる内容で、本校生徒が今後取り組むことになる「課題研究」にもつながる学びになったと思います。

〔第2日:「南極・北極科学館」見学〕

第1日の講演会の内容から、実際の研究のイメージを膨らませて科学館を見学しました。

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展示されているものや解説を熱心に確認する生徒の姿から、自分の学びを大切にしようとしていることがよく伝わってきました。観測やデータ分析の手法など、今後の学びの参考になったのではないでしょうか。

研究者の方から直接話を聞いて実際の研究をイメージすることができ、とても貴重な機会になりました。

 

第1回+第2回「博物館で学ぼう!」

令和4(2022)年8月8日(月曜日)、神奈川県立生命の星・地球博物館にてScuolaセミナーを開催しました。講師は博物館で働いておられる学芸員の方々です。

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午前は「博物館で学ぼう!1.~植物標本のデータ入力と配架~」をテーマに、講師の田中先生から博物館の役割(機能と活動)について学び、博物館のバックヤード全体を見学させていただきました。また、植物研究の歴史や植物標本の作製と管理の手法についてレクチャーを受けました。実際に植物標本をデータベースに登録する作業やその分類に従って配架する作業を体験することもでき、データベースに登録する項目の詳細や標本の保管方法を学べたことは、とても貴重な機会となりました。

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午後は「博物館で学ぼう!2.~骨から見る動物の成長と進化~」をテーマに、講師の鈴木先生から動物の骨から分かることや進化の歴史について学び、博物館の展示を解説していただきました。また、ニホンザルの頭蓋骨の標本を使って年齢とサイズの関係をグラフにして相関を読み取る実習も体験しました。実際に実物を見て触ってみること、測定しデータを比較することで、科学的なものの見方を学ぶことができ、とても貴重な機会となりました。分析に必要なデータの精度と量についても考える機会となり、深い学びが得られたのではないでしょうか。

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本校生徒のために貴重な時間をつくってくださった「生命の星・地球博物館」の皆さま、ありがとうございました!

Scuolaキャンプ

令和4年8月に予定していたScuolaキャンプ「海洋環境を学ぼう!~魚類学入門~」(東京海洋大学と連携して実施している宿泊実習)は、新型コロナウイルス感染症の影響により中止することとなりましたが、Scuolaセミナーの一環(Scuolaキャンプ番外編)として実施しました。

Scuolaキャンフ゜番外編「海洋環境を学ぼう!~魚類学入門~」

令和4(2022)年8月10日(水曜日)、神奈川県立希望ケ丘高等学校にて、Scuolaキャンフ゜【番外編】「海洋環境を学ぼう!~魚類学入門~」を開催しました。

講師は東京海洋大学の須之部教授です。

魚の構造と同定の仕方について、講義と実習を通して体験的な学びが得られるような内容で、セミナーを実施していただきました。

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参加した生徒は、魚を実際に解剖してスケッチすることで、分類の仕方や構造の違いに気付き、科学的なものの見方を身につけていました。「じっくり観察して、そこから疑問を見つける」ことを、これからの学びに活かしてほしいと思います。