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更新日:2022年3月8日

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卒業式「学校長のことば」(令和4年3月5日)

 ただいま、卒業証書を授与いたしました 12 名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。教職員一同、心よりお祝い申し上げます。保護者並びにご家族の皆さま、本日は誠におめでとうございます。残念ながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する措置として、今年も卒業生一人に対してお一人のみの出席とさせていただきました。どうか主旨ご理解の上、ご了承くださいますよう、お願いいたします。

 さて、皆さんがこの秦野総合高校定時制に入学した事情や背景は様々であったと思います。さらにこの2年近くは、新型コロナウイルス感染症によって、様々な制約を受けた我慢の日々となりました。そのような、先の見えない不安が続く中でも、皆さんは決して平坦ではない道のりを諦めることなく歩き続け、本日、「卒業」というひとつのゴールに到達しました。高等学校単位制総合学科の課程を修了した証であるその卒業証書は、皆さんが生きていく未来において、常に背中を押してくれる強い味方となってくれることでしょう。先日行われた「卒業生を送る会」の場で、私は皆さんに、「与えられる喜びよりも与える喜びの方が上回ったときに、人は大人になれる」という話をしました。そのあとのビンゴ大会で、何も景品が与えられなかったことに腹を立てた自分を今は深く反省しています。実は、アメリカのシカゴ大学が行った研究で、与えられる側よりも与える側の方が、長期間喜びが継続するという結果が示されたそうです。ではどうしたら、与える人になれるのでしょうか。人に与えるものは、決してお金やモノだけではありません。ふとした笑顔や感謝、愛のある言葉や優しい言葉も、あなた自身が所有している大きな財産です。この財産を上手に活用できないときは、その人の心に余裕がないときで、心に余裕が生まれるときは、自分を大事にしているときだと言われています。世の中は依然として新型コロナウイルス感染症の収束が見えず、また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や、北朝鮮による弾道ミサイルの発射など、暗いニュースばかりが目に飛び込んでくる毎日です。自分や他人に優しくできない人や、武力で物事を解決しようとしている人は、心に余裕がないのかもしれません。もし世界中の人が、誹謗中傷やハラスメント、虐待や攻撃の代わりに、笑顔や感謝、優しい言葉を周りに与えることができたとしたら、このような混とんとした世の中であっても、幸せな気持ちを持って暮らしていけるのではないでしょうか。ドイツの作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンはこう言いました。You’ll give happiness and joy to many other people. There is nothing better or greater than that! (多くの人々に幸せや喜びを与える以上に、崇高で素晴らしいものはない。)・・・どうか、心に余裕を持ち、多くの人に幸せを与えることのできる人になってください。最後に、最近、よい話を聞いたのでご紹介します。人とあいさつをするときやコミュニケーションをとろうとするとき、今は顔の半分がマスクで隠れているので、目の表情がとても大切なのだそうです。そこで、人と話しているときに、時々、眩しそうに眼を細めるようにすると、相手には自分が笑みを浮かべているように見え、とても印象がよくなるそうです。春は出会いの季節です。笑顔を作るのが苦手な人は、この「眩しいテクニック」を駆使して、新しく出会った人たちと、よりよい関係を作り上げていってください。 それでは、皆さんの前途が明るく、幸多いことを心からお祈りして、式辞といたします。卒業生の皆さん、本日は誠におめでとうございます