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更新日:2025年4月1日

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校長より

~やがて大樹になるために~

 本校は1969年に全日制普通科高校として港北区大倉山(旧太尾町)の地に誕生し、「生徒の優れた能力を見出し、それを伸ばす学校」という教育理念を柱に、明朗で活力のある生徒が集う学校として歴史を重ね、今春、57期生を新入生として迎え、全学年26クラス1,026名で新しい学期をスタートいたしました。これまでに1万9千名に近い卒業生を輩出し、数多くの卒業生が各界で様々な活躍をしております。 

 生徒たちは鶴見川のほとり、豊かな水辺の環境の中で、保護者の皆様や地域の方々に温かく見守られながら学習活動や学校行事、部活動、委員会活動にと、日々充実した学校生活を送っています。 

 3大会連続でオリンピックの男子マラソンに出場し、メキシコオリンピック(1968年)で銀メダルを獲得した君原健二さんは、こんな言葉を残しています。

『人間に与えられた最大の力は、努力です。』

『努力の成果なんて目には見えない。でも、紙一重の薄さも重なれば本の厚さになる。』

 努力というと歯を食いしばって「頑張る」悲壮感をイメージするかもしれませんが、自分自身が辛いと感じているようでは、それを努力とは呼ばないのかもしれません。

 周囲の人にどう思われようと、自分自身は嬉々として、貪欲に目標に向かって突き進んでいくことができる力を「真の努力」と呼ぶのではないでしょうか。

 こうした「真の努力」は、誰にでもできるものであり、すでに人間に備わっている最大の能力、才能と言えるでしょう。この最大の能力をいかに当たり前に使っていけるか、毎日毎日地道に使い続けていくことができるかが、自分の人生の成功に深く関わってくるのです。

 元メジャーリーガーのスーパースターであるイチローさんも、君原さんと同じようなことを言っています。

 『小さなことを重ねることが、とんでもないところに行く、ただひとつの道である。』

本校の校歌に『やがて大樹になるために』という一節があります。これは、初代校長の「一つでもよい。自分の優れた能力を見出して、その芽を伸ばせる学校にしてみたい。」という創立時の教育理念を大切にし、57年経った今でも本校のスローガンとして受け継がれているものです。

 大樹といわれる大きな木も、もともとは小さな苗木だったのです。やがて大地にしっかりと根を生やし、枝葉を付け、強い風にも負けないよう、さらに深く長く根を伸ばし、長い年月をかけて大きく成長するのです。

 誰よりも自分自身の可能性を信じ、これだけは誰にも負けないという能力を見つけるとともに、高校生活のあらゆる活動に対し「真の努力」を続けていき、自分の根、そして枝葉に十分な知識や技能という養分を与え、大樹に成長していってください。

  令和7年4月 

校長 坂本 聡志