更新日:2025年5月27日
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一部抜粋
草木から大小さまざまな色合いの花が咲き、花の色が美しい季節となりました。252名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。また、保護者の皆様、誠におめでとうございます。教職員一同、皆さんを心から歓迎し、お祝いいたします。
さて、新入生の皆さんは、9年間の義務教育を経て、今日からいよいよ高校生としての生活が始まります。津久井浜での高校生活は、皆さんにとって充実した青春の時間になると確信しています。ただし、ここでの3年間をよりよいものにするために皆さんの心に留めておいてほしいことがあります。
「失敗とどう向き合うか。」を考えてください。今、合格を掴んでここにいることから、みなさんは、間違いなく成功したと言えるでしょう。しかし、そこに至るまで大小様々な失敗と成功を繰り返しながら、試行錯誤をしてここにいます。これまでの経験を通して、「失敗とどう向き合うか」何か自分なりの対処法やコツを見出せていますか。人は年を重ねるとどのような問題、課題であっても大抵のことに対処できるようになります。ここにいる大人たちは、大学受験、資格試験、就職試験などの試験だけでなく、子育て、仕事、人間関係などの悩みに直面し、時に失敗しながら、なんとか今ここにいます。うまく生きる術を身に付けています。もっと早めに、もっとよく考えて、行動すればよかったという後悔を繰り返さないように、計画的に動くようになり、徐々に失敗することが減っていくのです。これが「失敗とどう向き合うか」の一つの答えです。失敗から学び、少しずつ失敗が減っていくのは、人の成長の過程でいいことだと思います。一方で、「現状を打開してやろう」とか「周囲を見返してやろう」といった強い感情を持たなくなっているなと最近になって気づきました。日々をうまくこなしていれば、生活できるようになったと言えば、聞こえはいいかもしれません。でも失敗を恐れ、それを回避するために、大きなことに挑戦しなくなっているとも言えます。皆さんのように高校生の時に感じたとてつもなく悔しい思いや、20代の頃の自分が招いたミスを、的確に指摘された瞬間は今でも思い出すことがあります。「グァ〜っ」と込み上げてくる悔しさ、至らない自分への怒りが、「次はこうしよう」、「迷惑をかけた分、取り戻そう」という気持ちにさせて、自分を突き動かす原動力に変わっていったのです。失敗が減ると、必然的にそういった思いをすることも少なくなります。
確かに、失敗することは怖いですが、あの時、失敗しなければ、現状の自分では全く手に届かないものに立ち向かうこと、努力することはなかったでしょう。
「失敗とどう向き合うか」みなさんはこの高校生活で、「失敗をたくさんしなさい」ということではなく、「何事もやっていい」、「どんなことでも試したらいい」ということです。
ドラゴン桜というドラマを知っていますか?元暴走族の弁護士、桜木先生が落ちこぼれと言われる高校から東大合格者を輩出するストーリーです。そのドラマの中の言葉に「実は努力の原動力という点ではポジティブ感情よりネガティブ感情の方が圧倒的に強い」とあります。負けたくない、恥をかきたくないという気持ちが、努力や頑張りを支えているのです。失敗を恐れて計算高く、賢く行動することは、まだまだ先の人生ですればいいのです。
高校での3年間は、一瞬です。スマホの画面ばかりに夢中になっていないで、授業、友だちや先輩と過ごす時間、部活動、定期試験、学校行事をとにかく一生懸命にやってみませんか。その中には、友だちとの関係が思い通りにいかない不安な時、勉強の成果が出せない時もあるでしょう。でも失敗の経験こそが成長のチャンスです。どんなことにも果敢に挑戦し、たとえ失敗しても、悔しい、悲しい、辛い、ネガティブな気持ちを強い推進力にして、駆け抜けてください。
保護者の皆様におきましては、今まで通り、学校であったこと、悩んでいることなどを聞いてあげてください。本校は各クラスに担任と支援担任がいます。きめ細かい指導を心掛け、担任と支援担任が連携しながら生徒の安心・安全な環境づくりに努めます。新入生の皆さんが心身ともに健康で、充実した高校生活を送れることを願い、校長の言葉とさせていただきます。