横浜国際高等学校 > 在校生・保護者の方々へ > 校長だより(Vol.24)卒業式を終えて
更新日:2025年5月12日
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2025年3月7日(金)、第17回卒業式が行われました。卒業した17期生は、2022年4月、コロナ禍の中で入学しました。高校の3年間は、約半分がマスク生活、もう半分がマスクなしの高校生活でした。2023年の12月、YISとして4年ぶりの海外修学旅行(台湾)を再開することができた年次でもありました。今回はCR31からCR35までの各クラスから、一人ずつ、卒業式を終えた5人に話を聞きました。
卒業生の歌は「旅立ちの日に」
「2月と3月は自由登校だったこともあり、まだあまり卒業の実感はありませんが、もうYISで授業を受けることは無いと考えると寂しいです。」
「卒業式が近づくにつれて自分は高校生ではなくなるんだという気持ちは大きくなっていましたが、自分がYISで当たり前のように過ごしてきた日々が終わってしまう感じはしませんでした。卒業式が終わった今、その実感が湧いてきて、いつも文句ばっかり言って坂を登って登校してきたことや友達と授業を当たり前のように受けていた日々のかけがえのなさと大切さを感じています。」
「卒業を迎え、喜びと感謝の気持ちで胸がいっぱいです。支えてくださった先生方や仲間と過ごした思い出がよみがえり、寂しさを感じています。 これから新たな道を歩みますが、今日が皆と会う最後ではなく、将来またどこかで再会できることを願っています。」
「もうこれっきり会えなくなる人がいると思うととても寂しく思いました。しかし、これからみんながそれぞれのやりたいことをやるために進学したり、新しい環境へ行ったりするのだと思うと自分も頑張ろうという気持ちになりました。」
「私はまだ卒業したことに対してあまり実感が湧いていません。学校に行って大好きなクラスメイトと会ったり、知識を身につけたり、課題に取り組んだり、このような毎日が私にとっては当たり前になっていて、なんとなくこれからも同じような生活が続くのではないかと考えてしまいます。そう思えるほど濃い3年間を過ごすことができて本当に良かったなと思っています。」
インタビューに答えてくれた5人の卒業生
「私は1年生のときは人見知りもあり、積極的にクラスメイトと関わることができなかったのですが、3年間を通して、部活動やクラスの友人に恵まれ自分も成長出来たと感じます。」
「YISといえば海外との交流!という感じがしますが、自分は留学や海外の学生との交流は少なく、あまり国際的なことはしませんでした。でも放課後、学校に残って友達と勉強したり、部活を頑張ったり、バイトを頑張ったりと、自由な学校だからこそ全力で高校生活を過ごせたと思います。2年生では自分の学校生活が乱れてしまうこともありましたが、3年生になって、専門に進学するということは他の人より社会人に近いということだから、当たり前のことができる人間でなくてはならないという先生の言葉に感化され、3年生では後悔のない学生生活を送ることができました。」
「高校生活の3年間は、楽しいことや困難なことを通じて、多くの学びと成長を得られた貴重な時間でした。振り返ると、1年生の頃からアドバンストクラスで帰国子女が多く、他校では経験できない貴重な体験ができたと感じています。日常的に英語を使う機会があり、コミュニケーション力と言語力が大いに向上したと思います。」
「3年間を通して責任ということについて一番よく学んだという印象があります。学校行事で運営をする役に就いて、一つのクラスをまとめることがどれほど難しく、自分の発言に責任を持つことがどれほど大切かを学びました。」
「3年間を振り返ると、私は非常に人に恵まれた高校生活を送れたと思います。YISではIBクラスという小さなコミュニティの中でも多種多様なバックグラウンドを持つ人がいました。そんな中、皆がお互いを否定せずに理解し合おうと努力する環境がとても好きでしたし、そういう環境があったからこそ自分らしさを全面に出して高校生活を送ることができました。」
卒業生答辞
「私は大学でも引き続き英語や第二外国語など、国際関係の勉強をしようと思っています。YISで学んだ知識を大学でより広げられるようにがんばります。また、言語だけではなく、DR(3年次の総合的な探究の時間)などの探究活動や、DD(ディベート・ディスカッションという英語の授業)のような自分の意見の組み立て方も活用していこうと思います。」
「卒業後はライブ制作の専門学校に進学します。私の夢は自分で音楽フェスを作ることです。この夢を実現するためには感性や経験といった要素も大切ですが、多くの人と作り上げるところが何よりもフェスの大切なところです。私はYISで、社会人になる学生として、当たり前の事が出来る人間になること、そして信頼を築き上げることの大変さ、大切さについて学ぶことができました。これからも夢の実現のためにこうした学びを継続していきたいと思っています。」
「これからの人生において、自分の夢や目標に向かって努力し続けたいと思います。YISで学んだ思いやりの力を大切にし、大学でも生涯にわたって付き合える友人を築いていきたいです。これまで支えてくださった方々への感謝を胸に、自分らしく前向きに歩んでいきます。」
「私は専門学校へ進学し、英国勅許公認会計士になり、DRで関心をもった移民問題について、会計士の知識を活かして解決に尽力することが目標です。」
「私の卒業後の目標は大学で工学を学び、将来的に宇宙開発に携わることです。宇宙の未知な部分の探査に貢献したいと考えています。この目標を達成する上で、YISで養った国際的な視点、またIBコースでの勉強を経て培った柔軟な思考力を存分に活かしていきたいと思っています。」
卒業式の式辞でも述べましたが、「自分が本当にやりたいこと」と「社会が自分に求めていること」が折り合う点を見つけていくこと、世界の多様な他者が自分の中に持ち込む「不協和音」を自分の中であたらしい力に変えていくこと、そして、人と人とが、国と国とが、互いの違いを尊重しながら共存していける知恵を生みだしていくこと、そうしたことを卒業するみなさんには期待したいと思います。
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