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更新日:2022年12月17日

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校長室からお届けする清陵ナビ

令和4年4月1日に横浜清陵高等学校第3代校長として着任しました蘇武和成です。

生徒とその保護者の皆様、地域の皆様、卒業生の皆様、及び中学生とその保護者の皆様に向けて、

校長から横浜清陵高等学校の魅力について随時情報発信していこうと思います。

よろしくお願いします。

「Grass Roots Innovator Contest in Kanagawa 2022」参加報告(令和4年11月25日)

令和4年11月23日(水曜日)勤労感謝の日に、「Grass Roots Innovator Contest in Kanagawa 2022」(NPO教育かながわフォーラム主催)という探究活動のリフレクション大会が開催されました。神奈川県立高校と神奈川県立中等教育学校を合わせ全23校が参加し、本校からは3年3組の太田萌々乃(おおたももの)さんがエントリーしました。参加生徒は事前に探究活動のプレゼンテーションの様子を10分以内の動画として作成し、事前にお互いの動画をオンライン上で観た上で、リフレクション大会当日にオンラインで生徒同士がそれぞれの研究内容について協議を行うというものです。当日は生徒や担当教職員等を含めて総勢80名以上が参加し、県教育委員会教育局指導部長など県教育委員会幹部をはじめとして各学校の校長も参加するという非常に規模の大きいイベントでした。本校から参加した太田さんの様子をお伝えするとともに、太田さんへのインタビューを行いましたので、その模様をレポートしたいと思います。まずは、太田さんの発表内容から簡単にご紹介します。

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研究テーマは、「捨てないアイシャドウ」です。余ってしまった化粧品をどうしたら有効活用できるかという問いが、テーマ設定を行う上での研究動機となっていました。仮説設定から始まり、様々な実験や実証を通して課題解決につなげていました。

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最終的には、SDGsの視点も踏まえ、児童労働問題や海洋汚染への影響などにも言及し、今後の展望につなげ発表を終えていました。太田さん自身の持つ豊かな表現力に基づくしっかりとした説得力のある話であったとともに、素晴らしい内容の探究活動でした。

各学校が事前にオンライン上で限定公開した発表を参加生徒が観た上で、当日全23校をAからDまでの4つのグループに分け、グループごとに協議を行うという形態でした。本校太田さんはAグループ(全部で5校)での参加となりました。生徒たちは大変活発にお互いの発表に関する質問や意見を交わし、それぞれが大きな学びを得ているようでした。

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さて、ここで太田さんへのインタビューの様子をお伝えします。

リフレクション大会への参加のきっかけは何ですか。

先生から声をかけられました。これから4年制大学に進学し、経営学を学びたいと考えていたところなので、プレゼンテーション力も付くし、やってみて損はないだろうと思い、参加を決めました。

リフレクション大会に参加してみてどのように感じましたか。

参加した学校は、学年、人数、テーマが多様で、様々な探究活動がありました。グループで討論することが非常に楽しく、協議を行う中で「ああ、こういう視点もあったんだ。」という気付きがありました。

リフレクション大会への参加を通してどのようなことを学びましたか。

私は、他の方の発表で示された様々な知識を持ち合わせてはいませんでしたが、知識がない人にも分かる発表や表現とはどのようなものかを学びました。また、発表に関する技術的なことだけではなく、客観的な根拠に基づく説明を行うことが大きな説得力につながるということが分かりました。

今後さらにどのようなことを探究したいですか。

ラッシュ(合同会社)のホームページにも記載がありますが、環境に優しい化粧品づくりを行っていきたいです。

太田さんの将来の夢を聞かせてください。

将来は、化粧品の商品開発をしたいと思っています。

最後に、本校の探究活動について思っていることを教えてください。

私は小中学校の頃、図工が得意でした。ものづくりが好きなので、化粧品に興味を持ちこれを作りたいという思いから、高校卒業後は専門学校への進学を考えていました。しかし、横浜清陵高校の探究活動でこの化粧品に関して研究を行ったことで、化粧品の商品開発を行うために、顧客のニーズを獲得する方法やマーケティングに関する知識が必要であり、大学で経営学をしっかりと学ぶ必要があるのではないかと考えました。私の進路はこの探究活動で方向付けられたと思っています。自分自身が興味を持っていることをテーマとして探究活動を行うことが、非常に重要なことです。そうすればそのことが自らの希望する進路につながると考えています。

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短い時間でしたが、太田さんの生き生きとした姿と自己のキャリア形成に向けた高いモチベーションに、頼もしさを感じました。まさに本事例は、本校の探究活動の大きな成果のうちの一つだと言えるでしょう。太田さんのこれからをずっと応援したいと思います。

令和4年度新規採用教職員による研究授業の様子その2(令和4年11月9日)

令和4年11月4日(金曜日)の1時間目に、令和4年度新規採用教職員による研究授業を行いました。授業者は本校国語科の曽我栞音(そがしおん)教諭です。2年3組の教室で40名を対象に、「現代文B」の授業を行いました。単元は、「小説『菊』」です。去る10月25日に行われた本校渡辺教諭の研究授業に引き続き「その2」ということで、当日の様子についてレポートしたいと思います。

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本授業の形態上の大きな特徴は、教室の中央に協議を行うグループがおり、その周りをコの字型の座席形態でグループごとに配置しているという点です。このコの字型配置は、コの字のように机を配置し生徒が自然と行う対話や会話を重視する学習形態であり、ともに学んでいる仲間の顔が見えることで、教室が和やかで落ち着いた雰囲気になるという利点を持っています。中央のグループの話合いの様子を、それを取り囲む生徒たちが聞き、その後質問や意見を交わしていました。協議に参加することにより、小説の内容の読解について生徒それぞれが持つ自分の考えを、意欲的に深めることをねらいとしています。

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画像の右側に映っているのが、授業者の曽我教諭です。

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中央のグループだけではなく、それを取り囲む生徒たちも活発に学習活動を行っています。

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中央のグループでは、大変活発な話合いが展開されています。司会の生徒が他の生徒に質問をし、自身の考えを朗々と述べたりなど、生徒それぞれの表現力の育成につながる授業でした。

放課後は教職員による研究協議会が行われました。以前にも申し上げましたが、研究協議会とは、研究授業を行った後に授業内容の振り返りを授業者及び参観者が行い、よりよい授業の実践に向けて評価・改善につなげていくためのものです。参加教職員による大変活発な協議が行われました。今日は「その1」でご紹介した渡辺教諭の時と同様に、曽我教諭にとっても、参加した本校教職員にとっても、大いなる学びを得た日だったと言えるのではないでしょうか。

本校の教師は常に学び続けています。すべては生徒のために。