更新日:2025年5月14日

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校長のつぶやき4(令和7年度)5月

こんにちは校長イラスト校長の内田です。

短い?ゴールデンウィークもあっという間に終わり、また、日常が戻ってきました。
今年のゴールデンウィークは暦の関係で連続してのお休みは4日間。これでゴールデンと言えるのかは疑問です(笑)。この4日間は日頃できなかった家の掃除や庭の整理をしてました。なんだか余計に疲れたような…。

 

さて、各年次の遠足も無事に終わりました。1年次は近くの「泉の森」に徒歩で行きました。2年次は「江の島・鎌倉方面」、3年次は「横浜方面」、4年次は「よみうりランド」でした。
生徒のみなさんはとても楽しんでいたと報告を受けています。困った

次の大きな行事は、「体育祭」。正確には、「向陽祭(ひまわりまつり)体育の部」です。6月5日(木曜)に実施予定です。(家族以外の入場はできません。)
でも、その前に…、5月27日(火曜)から前期の中間テストがあります。「始めが肝心」という格言もあるように、何事も最初が肝心!ぜひ、頑張ってほしいものです。

デフリンピック

デフリンピック」って、聞いたことあります?オリンピックやパラリンピックは耳にしたことがあると思いますが…。

神奈川県は5月は「手話月間」と定められています。
今日はそれにちなんだ話題です。

 

デフリンピックとは?【AIによる概要】

耳が聞こえないアスリートのための国際総合スポーツ競技大会の事です。
国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が主催し、オリンピックと同じように4年ごとに夏季大会と冬季大会がそれぞれ開催されます。「デフ(Deaf)」とは英語で「耳が聞こえない」と言う意味です。

そのデフリンピックが2025年に初めて日本(東京)で開催されます。

ちょっと不思議に思いませんか?
パラリンピックは障がいのあるアスリートが参加する国際的なスポーツ大会。
あれ?!聴覚障がいは障がいじゃないの??
パラリンピックは身体障がい、知的障がい、視覚障がい等となっています。やはり、聴覚障がいは入っていません。

では、なぜパラリンピックに聴覚障がいが入ってなく、デフリンピックとして独立しているのかを考えたいと思います。

 

デフリンピック・パラリンピックの歴史

調べてみたところ、日本パラリンピック委員会によると、障がいがある当事者自身が組織を作り、自発的にスポーツ活動を始めたのは、19世紀以降の事。車いす
1888年、ドイツで聴覚障がいのためのスポーツクラブが創設されたことを皮切りに、1910年には「ドイツ聴覚障がい者スポーツ協会」が創設されました。

第2次世界大戦後にパラリンピックが始まり、1985年に国際オリンピック協会(IOC)は、国際調整委員会(ICC)がオリンピックの年に開催される国際身体障がい者スポーツ大会を「パラリンピック(Paralympic)」と名乗ることに同意したようです。
その翌年に聴覚障がい者の国際スポーツ団体である「国際聴覚障がいスポーツ協会(現ICSD)」がICCに加盟しましたが、加盟後わずか10年で脱退しています。手話

その理由について、ドナルダ・アモンズ博士(国際ろうスポーツ委員会会長)が、2009年に国際オリンピック委員会に提出した調査書によると、「増大する費用」が原因の一つとして挙げられています。
政府や公的機関からの財政支援を得ることも容易ではない中、聴覚障がいの選手独自のコミュニケーションサポート(IPCへの手話・通訳費用負担)、聴覚障がいの参加者の増加が重荷となり、徐々に参加者の受け入れが困難となって、ICSDは「脱退」という結論に至りました。

このような歴史があり、パラリンピックには聴覚障がい者の競技がないそうです。

 

耳が聞こえなくても…

デフリンピックのルールは、ほぼオリンピックと同じです。耳が聞こえなくても身体的には全く問題がないから、「ほぼ同じ」ではなく「全く同じ」でもいいんじゃないかって考える人もいるかもしれません。野球
例えば、陸上競技100m。スタートの合図は一般的に「On your marks(オン・ユア・マーク:日本語では位置について)「Set(セット:用意)」の後、ピストルの音でスタートします。
もし耳が聞こえなければ、誰もスタート位置につくことはできません。また、スタートもできません。

では、どうしたらいいのか…。

光がピカッと光る「フラッシュランプ」でスタートを知らせます。これはバスケットボールなど様々な競技で活用されています。サッカー
また、サッカーやラグビーなどの審判の笛の合図はどうしているのでしょうか?
審判は笛を鳴らすとともに、旗を揚げたり手をあげたりして選手に知らせます。

選手が目でわかるような様々な工夫がされています。

聞こえないとどのようなハンディがあるのか…

耳が聞こえない人は、見た目からは聞こえないことがわかりません。しかし、スポーツをするうえで、聞こえる人にくらべて不利な点があることは、研究の結果からも明らかになっています。

  1. バランスがとりにくいこと。耳には「体のバランスを取る」という大切な役目がある。
  2. 情報の量が少なくなること。

例えば、聞こえる人はチームメイトに「パスするよ」「こっちにパスをちょうだい」など、声でコミュニケーションを取って、次の動きをとります。
ところが、聞こえないとチームメイトと常に目で合図し合ったりしなければならず、聞こえる人同士のプレーとは、別の作戦が必要になってくるのです。

日頃、聞こえている人は意識をしていないと思いますが、スポーツは、「目」で見る以上に、「音」で様々なことを感じとります。
例えば、ボールがバットやラケットに当たる音でその強さを感じ取ったりします。風の音や打球音などは様々なことを判断をするためにとても重要なものなのです。

 

デフリンピックが行われることで、聞こえる人と聞こえない人との間にある「目に見えない壁」を取りのぞくきっかけになります。

日本でデフリンピックが行われれば、聞こえない人にとって、日本が今よりももっとくらしやすい社会になっていくのではないでしょうか。そのためにも、聞こえない選手同士がスポーツをすることはとても大切なのです。

 

「第25回夏季デフリンピック競技大会東京2025」デフリンピック2025

2025年11月15日~26日(12日間)に70~80か国・地域からの参加で行われます。
21競技(陸上、バドミントン、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボウリング、自転車(ロード・MTBマウンテンバイク)、サッカー、ゴルフ、ハンドボール、柔道、空手、オリエンテーリング、射撃、水泳、卓球、テコンドー、テニス、バレーボール、レスリング(フリースタイル・グレコローマン))、選手、役員、審判、スタッフ等約6,000人が参加するようです。
会場は「東京体育館」や「駒沢オリンピック公園総合運動場」等19か所で行われます。

この機会に、デフスポーツや聴覚障がいについて興味を持ってもらえるととてもうれしいです。

 

これを書いているときに校長室をノックする音が…。「はい、どうぞ~」と声をかけると、ある年次の午前部・午後部のリーダーが二人そろってきまして。
えっ?!かあった??次リーダーが二人そろってくることなんかないし~~。それとも何かやってほしいことでもあるの??み事??ちょっとドキドキ…。

ニコってしながら、「遠足のお土産で~す」と。ホッ…(笑)。
本当にお気遣いありがとうございます。ちょっと…いや…とっても嬉しい出来事でした。ありがとうございました。

さて、連休明けの5月も頑張ろう!!

今日はここまでです(了)

 

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R7校長のつぶやき4(PDF:301KB)

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